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司馬遼太郎の世界『花神①』

教科書に淡々と記されている歴史的事象。
1869年 大村益次郎 暗殺 
大村益次郎という人物について、教科書から察しようとしてもなかなか伝わってこない。
今回、司馬遼太郎の歴史観の中でこの人物の人生について考えていこうと思う。まずは上巻から。

大村益次郎の元の名は村田蔵六と言った。長州藩の周防国生まれ、身分は百姓だった。
話を進めていく中で長州藩は他の例えば宇和島藩よりも出生にこだわっていた藩だったことがよく伝わってくる。
適塾という場所で蘭学を学んだ蔵六や福沢諭吉。そこで出会った緒方洪庵という人物から大きな影響を受けた。彼らは蘭学という小さな窓から欧米を見ていたが、時代が一気に変革を迎えた開国後の日本。
横浜の町をみて、蘭学ではなく英学を学ぶべきだということを素直に受け入れ、流れに身を任せられることも能力の1つだと思った。

いわゆる後に鎖国といわれる状況のなかで、当時の日本人は「空想や想像を刺激して像を結ぶにはその文明世界の文字を学んで読む以外にない」のである。
村田蔵六という男の生き方。こだわりがなさそうで長州藩にこだわりがあるようである。攘夷の風潮が高まる長州藩の中で、どのような生き方をしたのか、中巻が楽しみである。


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