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自己紹介

リハビリテーション、理学療法士

みなさんはリハビリテーションをご存知でしょうか?
昨今いろんな場面で「リハビリ」と聞くようになって久しいですが、その中の一つの業種が国家資格でもある理学療法士です。どんな仕事なのかと言われれば、一言で言えば「筋肉オタク」だと思っています。座る、立つ、歩くなどの動作を細かく分析し、筋肉の硬さや滑りの悪さを割り出して、実際に治療する。そして生活しやすくする。直接利用者さんや患者さんに触れる仕事で、即時的な効果もあり、「ありがとう」を言ってもらいやすい仕事かと思います。ですが反面、医療界の中では一番の肉体労働の現場で、利用者さんや患者さんの立つ練習のために体を持ち上げたり、トイレ介助や着替えを一緒に行ったりします。

訪問リハビリとは? 

リハビリはいろいろな場所で行われています。最もメジャーなのが病院に入院して行うものかと思います。入院のリハビリの主な目的は「自宅や施設に帰ること」、リハビリが必要となった病気や怪我によって異なりますが、期限が決まっています。

自宅や施設に帰った後に、利用者の状態や希望に合わせて、個別のプログラムを作成し実施していくのが、在宅系リハビリテーション。これにははっきりとした期限はなく、言ってしまえば利用者や家族と相談し、決めた目標が達成された時が期限となっています。私はその中の訪問リハビリテーションに携わっています。

訪問リハビリの醍醐味

もとはと言えば、理学療法士の免許をとって3年目の春。時の上司に、「今年から訪問リハやってもらうからね」と半ば業務命令としてはじまりました。
今思えば、上司としては視野を広げさせたり、スキルアップさせたりする目的だったのだと考えています。はじめは、「利用者さんの家に行くんだよね…アウェだな…」「自信無いな…」などネガティブな気持ちでした。

自宅でリハビリが必要になる理由はそれぞれの利用者さんで異なるのは当たり前ですが、どの利用者さんも例外なく「そこで生活し続けている」ということに変わりはありません。ネガティブな気持ちで始めた訪問リハビリでしたが、利用者の自宅に行き、話をしたり、実際に施術をする中で、生活の中で、少しでもより良く生活したいと願っていて、困っているという発言が聞かれることが多く、その事をみんながみんなアウトプットすることが上手くないという事に気づきました。

願いや困りごとを共に見つけ、引き出し、提案し、よりよくサポートすること。

「母がそんな風に思っていたんですね。知りませんでした。」

「その利用者さんはそこに困っていたんですね」

訪問リハビリに携わり、毎週のように利用者に会い、話をすることで、少しずつこころを開いてくれる。ポロっと本音が出る。

その面白さと奥深さ、悩んでは助けてもらい、試行錯誤し、後輩や他職種の方にアドバイスをしたり、気付かせてもらったりと、いろいろな
ことを繰り返しているうちに、患者様の人間味に携われる醍醐味を味わっていく。この現場がとことん好きになっている自分がいて、

抜け出せなくなっています。


日々の臨床で感じるモヤモヤしたもの

訪問リハビリをはじめとした介護保険制度やサービスは、一度聞いただけでは理解することが難しいことが多いです。訪問リハビリに携わって10年以上経ち、訪問リハビリテーション事業所の管理を任されている今でも、日々学びがあります。

また、今年から介護認定審査会の審査委員を務めることになりました。介護認定審査会とは、介護保険サービスを利用するために必ず必要となる介護度を決定する場所のことです。様々な利用者の生活の様子や介護の様子、介護は必要なのに対応に苦慮している事例などを目の当たりにしています。審査会のたびに思うことがあります。

利用者さんや家族は知らないことが多い。情報が足りない。

前もって知ってさえいれば、、、
準備することができていたら、、、

 知らないことは仕方の無いことだと思います。利用者さんの病気や怪我は突然で、前触れなど無いことがほとんどだからです。目の前の状況に対処することに精一杯。

病気や怪我で突然の入院。そして何とか自宅に戻れることになっても介護が必要となる。退院時に冷静な判断は出来ないことが多い。自宅に戻り、必死に介護をしている中で、少し落ち着いたとき、やってあげたいことなどが出てくる。そんなときに頼れる人がケアマネだけなのは良いことなのか?もっと複数の視点からの情報があっても良いのではないか?訪問リハビリで利用者さんのもとに行く度にリハビリ以外の生活のこと、お金のこと、他サービスのことを聞かれることが増えていきました。

2025年問題

皆さん知っているでしょうか?2025年は団塊の世代のすべての人が75歳を超える年。医療や介護などの社会保障費が不足をするといわれています。もう数年後の話で、待ったなしの状況です。これから医療や介護が必要となる人たちはますます増えてくる。

介護の知識や知恵を少しでも備えておけば、慌てることは少ないのでは?

残念ですが、社会保障費が不足する世の中では、自分の事は自分で備えて準備をしておかなければなりません。それはお金といった経済面だけでなく、知識や知恵といったものや介護が必要にならないための身体作りと多岐にわたります。

ケアマネージャーの目線と訪問リハビリの目線と

介護は必要となったとき、ケアマネージャー(介護支援専門員)との付き合いが始まります。ケアマネージャーは介護保険サービスを利用するにあたってのハブ機能となり調整し、利用者や家族の意向を確認するとても重要な職種。介護サービスの調整だけでなく、福祉系サービスのことや行政サービスについても知っており、自宅での生活を送っていくときの強い味方となる存在です。もっとより良いサービス提供や情報を伝えたいと訪問系従事10年を期に介護支援専門員の勉強をし取得しています。

しかし、そんなケアマネでも弱点があるとすれば、毎週のように利用者や家族に会い、生活のちょっとした変化を察知することができないという点。

訪問リハビリをしている私は毎週のように利用者と話し、体のチェックをしている。

私の知っている知識や経験、依然携わったケースのことを伝えると、

「そんな事知らなかった。」
「私一人だけじゃないんだね」

考えられる余地が出てきたり、勇気を持ったりされる方々が多く、在宅介護が楽になったり笑顔が増えたりすることが見られてきました。

そこで私の知っている経験や知識がもっと多くの人の役に立つのなら、それは良いことではないか?
それを見て知って、対処できる方法が増えたなら介護をする家族や介護を受ける利用者がより笑顔に楽になるのではないか?
必要な介護が少なくなったり要らなくなったら、好きなことに時間を費やせるのではないか?

出来るだけ私に関わってくれた人達が、その人らしくいられるように。
知っていること、
感じていること、
経験したことなど、

綴っていこうと思います。

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