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【観劇】『アルキメデスの大戦』

シアタークリエ『アルキメデスの大戦』 (tohostage.com)



2年前にやるはずだったのですが、コロナで延期に、中止にならずに良かったと思います。
関係者の皆様、おめでとうございます。

主演の鈴木拡樹さんはわたしにとっては三日月宗近
それ以外ですと映画を2本観ていますが、生の舞台で三日月以外を観るのは初

映画版は観ていますが、原作は読んでいません。
映画を観たときに、「えっ?結局丸こまれて、大和の進水式をなんか笑顔で見送っちゃうの?」と、ラストがなんだか腑に落ちないで終わっていました。

舞台はどうだったかというと、時間配分が違っていて、映画では登場しない場面がありました。
それが映画で腑に落ちなかったところを補ってくれてました。

山本五十六が映画より食えない親父化していたような気がします。
(もう映画の記憶がかなり飛んでいます。)
そもそも太平洋戦争を扱った映画で、山本五十六をこのようなサイドから描くってないから、アルキメデスの映画版と比べるというより、他の作品と比べてしまって脳内変換しちゃっているかもしれない。

とにかく他では見られない山本五十六を観られるのは確かです。

主演の鈴木拡樹さんは、三日月以外を受け入れられるのだろうか?からわたしとしては始まるわけですよ。
で、どうだったかというと、すんなり受け入れられました。

舞台にいるのはややオタク気質で、数学に関しては天才で、正義感が強くて、天才故の自己中タイプかと思っていたらそうとも言えなくて、案外まじめで、恋愛音痴な20代の若者でした。
櫂は頭は切れるし、行動力あるし、ちょっと出来すぎ感があるよね。でもそれを嫌味に感じさせない櫂直なのでした。

五十六の命令で櫂に付く田中少尉(宮崎秋人さん)の存在は観る側の緊張をほぐしてくれました。最初はコミカルな雰囲気で、後半は二枚目路線になります。時間の経過と共に素敵な大人の男に成長しています。
彼って、昭和8年に少尉で、大和沈没時の昭和20年4月でも少尉のままだったみたいなのですが…海軍省勤務の内勤とはいえ、それってあんまりでは( ´艸`)

アルキメデスの大戦は話の視点として面白いと思うのですが、事実として大和は建造されるし、太平洋戦争は起きるし、けっきょく櫂たちの努力は実を結ばないのが空しいと感じるのです。

すでに起きたことを止めようとする作品って、達成感をどこに置くかがとても難しい。


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