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「インフレとの闘いは終盤になりつつあるが、景気後退とインフレのジレンマの本格化はこれから、量的引締めも継続中、、、、しかしFRBも大きく市場を下落させたいとは思わず、、、という均衡を行ったり来たりか?」

11月はインフレ後退し長期金利が下がり、株式市場が大きく上昇

11月はここのところでは従来に比して大きく株式市場が上昇しました。これは、インフレリスクが統計指標上後退して10月に上がっていた長期金利が見事なほどに下がり、利下げが盛んに前倒しされるとの予想が出てきたというような情勢によるものです。

上記記事は、それをサンタラリーが一足先にやってきたなどと揶揄する情勢を記していますが、記事の趣旨はそれだけでなく先行きの不安要因をこそ論じているところにあります。

先行きの不安要因は景気後退

記事はさらに不安要因を景気後退だと明確に位置付けています。
インフレ退治のためには、短くても景気後退が必要だというのが金融政策の基本であり、教科書にも書いてあることというのは、今回のインフレ退治の金融政策において、FRB当局が繰り返し言ってきたことです。
そもそもそういうリスクがあり、今後の金融政策の焦点は、景気後退とインフレ抑制のジレンマだということになります。
このことは、本コラムでも言ってきました(下記参照)。

最近のFRB関係者のタカ派発言が静か

ただ、最近のFRB関係者の発言は従来から比べると非常に静かに聞こえます。そのせいもあって、国際金融スジは利下げ時期のことに関心を向け、世論形成するかのように、株式市場のリスクオン情勢が昂進しているように見えます。
本日12/1(金)には、パウエル議長の情報発信があり、12/12、13にはFOMCがありますのでそこで市場引き締めの発言が出ないとも限らないと思われます。
しかし、これまでのFRBのやり様をみていると、意外に少しタカ派的なものを抑え気味にし、株価上昇を許容する局面などもあり、そういう時期なのかもしれません。これはなんともわからないところです。

いずれにしても局面の転換点に来ています

ただ、いずれにしても現在今の時点は、今後の先行きに対する局面の転換点に来ていることは間違いありません。
そのことを、いつも引用する豊島逸夫氏のコラム(日経の「金のつぶやき」)で述べています(下記)。

豊島氏は、継続する量的引き締め(QT)に関するリスクを取り上げ、これまで進めてきた金融引き締め=利上げの遅効性について触れ、景気後退の行き過ぎリスクについても触れています。
まさに、そういう不安要因があるということを本コラムでも繰り返し触れてきました。

この年末から来年初の情勢は非常に重要

ここまで、インフレをうまく抑え込めそうなところに情勢を持ってきたFRBですので、そうそう手荒なことはやらないように思います。であれば年末年始は大きく市場が荒れはしないでしょうが、今後の市場を占う情報が種々出て来ることは間違いありません。
かなり難しい局面ではありますが、マクロな情勢を十分分析、把握しながら投資活動を行うことが重要だと思います。

今後とも、皆さんと一緒に注意を怠ることなくしっかり情勢を見ていきたいと思っています。



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