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「生命科学で、化学関係者が最も注目すべき創薬領域のことを初学者でも学んでいけるサイト」/個の力をつけていくことが最も重要、私のような老兵でも将来を指向して、、、、

1)私の経歴と指向性

 私の経歴は、昭和61年3月有機化学の修士を卒業し、中堅化学会社に2年余、大手精密電機メーカーで機能材料開発を34年やってきた材料化学の研究者、技術者です。

 この間、有機化学、高分子科学は大きく発展し、私自身、90年くらいの時点で、この先20年くらいを見つめるとバイオミメティック(生物模倣)な機能材料が先端の機能材料としてものにされていく時代になるのではないか、と目算し、今で言うリスキリングもその線で勉強を重ねてきました。

 大きくはその方向で発展する機能材料の展開はあったと思っています。実際に、非常に長くはかかりましたが、2011年に私自身がそれまでイメージしてきた技術革新に値する、バイオミメティック材料を創出することができ、多くの社内の方々の尽力、努力のおかげもあり、毎年千億単位の売り上げのある主力製品にその新規技術を搭載することができました。

 実際、20年先だと思っていた技術は、1990年から30年後の2011年にやっと創出できたわですから、私の読みより世の中の進歩が意外に遅かったということになります。
 論文などの研究段階では、早い報告が出るものですが、実際に世の中に役立つ製品にその技術が搭載されるというのは、意外に時間の関数が遅くなるものです。

 そういう意味では、これから様々なバイオミメティック機能を持つ材料技術が開発され、種々の製品に搭載されてくるものと思います。
 私は、理学部の出身でどちらかというと時代の先端をひたすら求めていく技術者のタイプでその方が自分に向いていたこともあり、これまでもそうしてきたつもりです。既に定年も過ぎ、老兵ではあるのですが、今現在も考えていることは、30年も追ってきたバイオミメティック技術より、それより先の新しい技術を見つめて仕事をしていきたいと思っています。
(愚痴を言わせてもらうと、そういう指向は利益を追求する企業ではなかなか生きづらくもあるのですが、そういう人間もいないことには日本の技術が陳腐化、社会自体の活力も落ちていくことになると思い、必死でやってきたつもりです)

 現在時点で、私が思うのは、化学も今後、急激な生命科学の分野の技術革新とくんずほぐれつしながら、一層の発展をしていくだろうと思っています。そういう中で若い人たちが新たな技術領域に挑戦し、世界のトップに立ち、日本をけん引していってもらいたいと思っています。
 生命科学の分野が、技術革新が急なのは、色々なところで言われていると思いますが、一つは化学がより精緻になり、それまで大雑把にしかとらえられなかった生命科学、生物の領域に詳細な照明を提供した点にあると思います。
 私の次男は一昨年慶應の医学部を卒業し今研修医を終え、小児科で働き始めていますが、彼が学生当時細胞生物学や分子生物学のテキストを見せてもらったり、免疫関係の教授(吉村教授や本田教授)の先生の話などを聞いて、私の学生当時には霞が覆っていた生物有機化学の状況が一変していることを目の当たりにしたものです。まさにバイオミメティックというよりバイオマテリアルの時代だと思います。
 典型的にその現実を表しているのは、ノーベル化学賞の受賞研究に表れています。このことを、大視野で見る好適な書物は、下記です。

(京都大学の廣田先生が実に丁寧に纏めてくれていて、通史を学ぶ意味は政治経済史に限らず、化学でも大いにあると私は思っています。)

 私自身面白いなと思って勉強した書物など、その一端を、このブログでもいくつか紹介させていただきました。具体的には下記をご覧いただければと思います。


2)生命科学で、化学関係者が最も注目すべき創薬領域のことを初学者でも学んでいけるサイト

 最近、そういう視点で生命科学領域の動きを種々のメディアを通してリサーチしているつもりですが、この領域で最もアクティビティの高いビジネスはもとより「創薬」だろうと思います。
 
 実際、化学に関わる名だたる日本企業は全てと言ってよいくらいこの領域で新ビジネスを開拓しようとしています。曰く、CRO、CMO、CDMO等々という略称を聞いたことが有る方も多いと思います。有名なのは20世紀のうちからとっかかりをつまんで始めている富士フィルムなどは、公式には先行組でしょう。
 しかし、現状は猫も杓子もといった乱立状態で、今後必ず淘汰の嵐が吹き荒れ、実力のある者だけが事業を成立させることができるというようになっていくと思います。
 だから、今後こそ、個人にとっても、技術の中身、実力が厳しく問われる時代になっていきます。

  今年に入り、生命科学分野のリサーチの仕事などもあり、そのとき見つけて、毎日ウオッチして役に立っている情報サイトがあるので、今回皆さんにそれを紹介したいと思います。もちろんご存じの方もいらっしゃると思いますが、、、、
 

 上記サイトになりますが、本来は創薬業界で働く人たちの再就職サイトらしいのですが、毎日創薬業界のニュースを報じてくれ、定期的に国内日本メーカー、海外メーカーの臨床試験と新薬申請をまとめて報告してもくれています。これなど、製薬企業の投資分析にも使えると思います。
 だれでも登録するとメール配信で最新情報をアラートしてくれますので、まあ最近では当たり前ですが、もれなく情報をキャッチできます。
 また、業界ツウの識者による連載コラムもあります。このnoteでもご活躍の黒坂宗久さんの「現場的にどうでしょう」というコラムを私も非常に興味深く読ませていただいています。

 こういう情報をお伝えしているのは、もちろん先を走る敏感な方々は先刻承知なのかもしれませんが、大事なのはグッドフォローワーという人たちが如何にしっかりと実質を抑えていくか、そしてその後に続く人たちをけん引していくか、ということだと私は思っているからです。

 是非、これからの日本の技術を支えていく有意の方々の意欲に期待したいと思います。そのために微力でもこういった形や残された会社人生の中でやるべきことをやっていきたいと思います。
 そしてそれは私自身のためにも。
 
 


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