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44 起立性調節障害について考える

みなさんは、起立性調整障害についてご存じでしょうか。

先日、「子どもの心身症の理解~不登校の子どもに対する医療的支援~」についての研修会で学んだ心身症の1つです。

研修を受けて考えたことは、「これは他人事ではないぞ」です。
起立性調節障害だとは診断を受けてはいないものの、気温や気圧の変化、天候によって子どもの調子が左右されることがありました。
「明日は気圧が爆弾だから、○○さんの調子が悪くなるよ。気をつけよう」
などと職員室で話題に挙がることもしばしばです。
このことを知らずに、目の前の子どもが調子を崩したり学習に集中できないことを注意、叱責すると考えると恐ろしいです。
また、登校渋りの原因が「朝起きれないから」だという子どももいます。
目の前の子どもに一定数存在する起立性調節障害の予備軍の子ども達。今日は、起立性調節障害から子ども理解と指導について考えます。


起立性調節障害とは

病態は、成長発達に伴い、循環器系(心臓/血管)の機能不全が生じ、身体や脳への血流が低下する疾患です。
身体症状として、めまい、立ち眩み、頭痛、吐き気、食欲不振、全身倦怠感、朝が起きれないなどが見られます。
精神症状として、意欲減退、イライラ、集中力や記憶力低下などの精神症状も合併する場合があります。
暑くなる時期や曇~雨のとき、披露や睡眠不足、感染などでも悪化します。
心理的ストレスに影響されやすい特徴があります。
身体的変化に伴い出現することが多く、身体的成長に身体の機能がついていけない状態であることが要因として挙げられます。症状が出ると、血圧低下による症状が出る場合と、血圧低下は見られませんが、著しい心拍増加を認める場合があります。

起立性調節障害の治療法

治療法としては、まずは基本的な生活習慣を整えることから始めます。
睡眠時間の確保、バランスのよい適切な量の食事、適度に運動をして身体を動かす食事・運動・睡眠の原則を守ることが大切です。
加えて、薬物療法で血液の滞留を改善する薬を処方したり、漢方薬で自律神経を整えます。ただし、薬物療法はあくまでアシストなので、生活改善を整えることが治療の中心となってきます。

起立性調節障害が悪化すると

生活リズムの乱れや抑うつ状態になり、結果として登校できなくなりやすく、不登校につながります。長期化したときは、身体的治療に合わせて心理的配慮も欠かせません。
子どものつらさを認め、自分の状態に合わせて活動することを促します。そして、自信を取り戻せるようにすることが大切です。

高校進学に関しては、体調が改善するわけではないので、体力的に無理な学校を選択すると続かない場合があります。軽い症状は成人後も続く場合があります。

明日の子どもに生かす

起立性調節障害として診断はされていなくても、その予備軍や軽症として発現している子どもは一定数いると捉えてよいと考えます。
特に特別支援学級に在籍する子どもは、気温や天候など環境の変化で心身にストレスがかかり、日常生活にマイナスの影響を与えることがよくあります。起立性調節障害の存在やその影響を教師が知っておくことで、目の前の子どもの不適応行動が広い視点で見ることができます。

「イライラ、学習への意欲の低下、ちょっとしたことで怒り出すなどの背景にはもしかしたら気温や天候のせいかもしれない。」

診断まではいたらないが、似たような症状が出ていると考えることができます。不登校の原因として起立性調節障害が影響し、朝起きれないや学校でやる気が出ず、失敗経験を積んでしまっているケースも少なくありません。
その場合は、医療機関へ受診し、医療的支援が必要になる場合も多いです。
ぜひ、明日の子どもに生かしていきましょう。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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