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特別支援で大切なことは、3つのことをあきらめることだ

あきらめると聞くと、

こどもを見捨てる
成長をあきらめる
手抜きをする

などのイメージを
もたれるかもしれません。
しかし、私は断言します。
特別支援に大切なことは
あきらめることである、と。

特別支援に携わる皆さん、3つをあきらめてください。


①言うことを聞かせることをあきらめる

教師として最も楽なのは、
・一言いえば、子ども達が一斉に動くこと
・誰もが教師の言うことに逆らわず、素直に応じること
・授業中は常に私語はしないこと
・何かあれば、一言の注意で素直に応じること
・決していじめがなく、みんな仲良しであること
・給食時間は黙々と好き嫌いなく食べ、完食すること
・教室移動は2列で整列し、一糸乱れずに集団で異動できること
まだまだ思いつきますが、これくらいで止めておきます。
いかがでしょうか?
こんなクラスなら、教師はとても楽ですよね?
これを親子に置き換えても、
こんな子供なら親として楽だと思いませんか?

しかし、
現実は違います。
むしろ、
特性のある子供にとって、
真逆のことばかり
学校生活では起きているのではないかと
思うくらいです。
言うことを聞かせようと思い、
強制することは決してしてはいけません。
恐怖で押さえつけても、
一時的には言うことを聞くかもしれませんが、
長期的に見ればむしろ逆効果です。

言うことを聞かせることをあきらめて、
子供の特性に応じた支援や関わりをしていきましょう。
一歩引いて広い視野で考えることで、
できることは増えていきます。

1人で抱え込まず、
同僚の先生達に助けを求めるなどして
チームで動くことが大切です。
今は、チームで動く姿勢が求められています。
あなたは1人じゃない。
抱え込まず、まずは隣の先生に相談してみましょう。

②自分の思いを押し付けることをあきらめる

4月の学級開きには、1年間のゴールを設定しているはずです。
「よーし、1年間でここまでできるようにさせるぞ!」
自分の思いを、子供に押し付けるのは絶対に止めましょう。
あきらめてください。
放課後デイサービスの代表の方と以前お話したことがあります。

「福祉の世界では、一度立てた達成目標がそのまま最後まで到達することは絶対にありえません。修正、修正を重ねてより現実的で達成できる目標へと変えていくのです」

我々も同じです。
必ず支援や指導には目標があり、ねらいがあります。
しかし、それはあくまで仮でしかありません。
そこから修正を重ね、
本当に子どもの自立と社会参加につながる
目標やねらいへと変えていくのが本当だと思います。
ぜひ、自分の思いばかりを
押し付けるのはあきらめましょう。
同僚の先生へ相談したり、子供に直接聞いたりするのも
よいでしょう。医療、福祉などに相談すると、専門的な
視点から思わぬアドバイスをいただけるかもしれませんよ。

③尊敬されることをあきらめる

教師への尊敬の眼差し…
一度はあこがれますよね(笑)

中学校へと進学していった子達が会いに来た時ー
二十歳を過ぎた子達から同窓会に誘われた時ー
「先生のこと、尊敬していました!」
「大好きでした!」

そんな言われたら、
「先生をしていてよかった!」
と思わずにはいられません。
(ご承知の通り、こんなことは私は一度もありません😢)

そんな教師になりたいと、
「尊敬しろ!」とは言わないでしょうが、
教師を振りかざすようなことは
絶対にしてはいけません。
尊敬されるかどうかは、正直分かりません。
むしろ、その時には
「うるさい先生だな!」
「分かっているよ!いちいち言わないで!」
など思われていることもしばしばです。
進学して、大人になってから、
当時の先生のありがたみが分かってくることも
往々にしてあるのです。
尊敬されることはあきらめて、
子どもの成長のためにもがきましょう。

決してあきらめてはならないことは、ただ1つ

ただし、決してあきらめてはならないことが
ただ1つあります。
それは
決して手綱を離さないこと
です。

手綱を離してしまうと、
子どもが教師の管理下から離れてしまいます。
そうなると、もう手がつけられません。
好き勝手な行動をし出します。
いわゆる
学級崩壊
に陥ってしまいます。

言うことを聞かせられなくても、
自分の思い通りにならなくても、
教師として尊敬されなくても、
決して子どもに対しての手綱は離さずに
教師としてできることを行っていきましょう。
どうすれば手綱を離さずにいられるかは、
正直分かりません。
先生の性格や特徴、子どもの特性や関係性など
あらゆる側面による影響があるからです。
そこは、教師の腕の見せ所です。
かくいう私も子どもの手綱が離れ、苦しい思いを
したことがあります。その経験は今もずっと
心の中にあり、刺のように突き刺さっています。
ただ、それをネガティブに捉えずにしています。
当時の自分を反面教師とし、現在の子どもに向き合って
いこうと気持ちを奮い立たせています。

自分らしく、あなたらしく、
教師を満喫していってください。
そうすれば、
決して手綱を放すことはないでしょう。

今回の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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