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56 氷山モデルの階層構造 パターンをつかみ、対応策を考える

前回の記事で「氷山モデルから行動の背景要因について考える」から行動には背景要因が存在することについて説明しました。

今回は、氷山モデルのものごとの全体像を捉えるフレームワークとして背景要因には階層構造が存在し、

①パターン
②構造
③意識・無意識の前提(メンタルモデル)

の3つに分類され、これらを探究することで、よりレバレッジのある学習と介入ができます。
以下のサイトを参考に、特別支援教育の視点から階層構造を考えていきます。

表面化している「行動」レベルで解決策を考えては意味がない

表面化している不適応行動として、よくある事例でいくと、
・教師の指示に素直に従わない
・授業への注目が難しい
・授業中、教師が話している途中で口をはさんでくる
などでしょうか。
このようなとき、すぐに

「教師の指示には『はい』と言って素直に聞くことを教えないと!」
「授業に注目させないと!」
「教師の話は最後まで聞くことをきちんと言って聞かせない!!」

という対策・解決策を考えようとします。これは、氷山にたとえると、水面上に見ている部分です。
行動レベルで解決策を考えても、事後に「反応」しているだけの対処療法にとどまり、しばらくすればまた同じことが起きたり、別の場所に問題が移ったりするだけで、効果的な解決にはなりません。

問題を生み出している行動パターンを見る

氷山モデルで表されているように、水面上に見えている行動は、全体のごく一部であって、その下にもっと大きなものがあります。
行動の背景にあるのは、「パターン」です。表面上の行動を過去にさかのぼって考えてみると、「授業中、「読んで考える活動」になると、決まって不適応行動が起きるな」というパターンが見えてきます。
そして、このまま同じやり方を続けた場合のなりゆきがどうなるかも考えることができます。
パターンを認識することによって、

「漢字が読めないのではないか」
漢字にルビをふったらどうかな?
「注視することが苦手で、今、どこを読んでいるのか分からなくなるのではないか」
音読補助シートを活用して今、どこを読んでいるか視覚的に分かるようにしたどうかな?
「発音することに苦手意識があり、全体の前で読みたくないのではないか」
全体の中で1人で読むのではなく、ペア音読やグループ音読に切り替えることでで負荷を下げるどうかな?
「音読で過去に失敗経験をして自信を喪失しているのではないか」
個別支援で音読練習を事前に行い、自信を持たせて授業に臨ませるとどうかな?

など、読む活動の際に事前に対応することで不適応を防ぐことが可能になります。このように、パターンを認識することで、効果的な解決につなげることができます。ぜひ、皆様も子どもの不適応行動のパターンからできる対応策を考えてみてはいかがでしょうか。

とはいうものの、パターンが予測できても効果的な対応策が分からないことやそもそもパターンの予測ができないことも十分予想されます。
つまり、パターンだけでは行動改善につなげることが難しいことも往々にしてあります。次回の記事では、パターンの下にある構造について考えてみたいと思います。

今回の記事は、以上になります。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました!



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