ステラおばさんじゃねーよっ‼️58.桜の樹の下には〜墓碑建立と連載
👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️57.小鳥遊宅〜おすそ分け は、こちら。
🍪 超・救急車
ひかりの顧問弁護士のすみやかな手続きにより、聖の墓碑建立の日取りが決まった。
1月18日から5日間で、基礎、外柵設置、墓石設置の順で着工すると、ひかりから連絡が届いた。
カイワレは、年明け1月7日には連載開始の再来月号(3月号)および再々来月号(4月号)の記事を若森に送り、何度か修正を繰り返した。
1月10日頃には3月号のゲラ刷りが上がってきたので、カイワレは内容の確認し、担当編集者である若森が印刷開始のゴーサインを出した。
並行し制作していた4月号の執筆分も、完成間近だった。
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着工前夜、明日からの現場イメージをしながら、カイワレは防寒着を数着準備していた。
するとスマホが震え、歩からのメッセージが届いた。
ふたりのその後が気がかりだったカイワレは、すぐに返信した。
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@kaichan
元旦に来て下さりありがとうございました
ママもあれから熱も下がり明日から出勤します
ママから連絡ありましたか?
@ayumu(╹◡╹)
こちらこそ、新年早々にお邪魔しました。
小鳥遊さん、元気になって良かったです!
小鳥遊さんから連絡はないけど、こちらからも連絡してみます。
メッセージ、ありがとう^o^
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まずは知波が体調不良から回復し、安堵した。
それに歩との心の距離が少しばかり近くなったような気もして、うれしくなった。
けれど彼女はまだ、カイワレが父違いの兄だとは知らない。
はたして歩はその事実を、すんなり受け容れてくれるだろうか。
いや、焦っちゃダメだ。
一歩一歩心の距離を縮め、真実を受け止めてもらうしかない。
強い眼差しで、カイワレは虚空を見つめた。
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知波はこの正月の大風邪で、すっかり体重が減ってしまった。
少しずつ食べてはいるが、以前より食欲が湧かない。
原因は、ふたつ。
カイワレが聖の御通夜に居た事で、捨てた我が子なんだと、確信めいたものを感じてしまった事。
正月自分が寝込んでいる間に、カイワレが我が家へ立ち入っていた事。
寝ても覚めても、カイワレ一色…。
大人になったカイワレと幼かった太士朗が交互にフラッシュバックし、後悔とやるせない気持に胸が押し潰されそうになる。
歩が話しかけても、うわの空の返答ばかりだ。
「ママ、カイワレさんにきちんとお礼、言ってよね!」
「え、はい」
「ねえ、ちゃんと聞いてるの?」
「…………」
歩は知波の鈍い反応と呆けた態度にあきれ返りつつ、母の異変に気づいていくのだった。
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