ステラおばさんじゃねーよっ‼️⑭変わらないもの〜2年ぶりの帰省
👆 ステラおばさんじゃねーよっ‼️ ⑬真夜中のリプライは、こちら。
🍪 超・救急車
今朝の寝醒めは、すっきりすがすがしい。
寝ぼけたままのカイワレは、ベッドの上でぼんやりと考えてみる。
眠るたびに《夢の無限ループ》で、脳が休息できていないみたいだ。
だから寝起きには、いつも疲労だけが残ってしまう。
昨夜はループする夢の本数が少なかったか、はたまた夢をまったく見ていなかったか。
ともあれ、カイワレはひさびさの爽快な目醒めに、静かにひたっていた。
そして今日は、児童養護施設を訪ねる日であった。
そこは、ポーちゃんとカイワレの実家である。
ふたりが一緒に育ててもらった、想い出のつまった場所。
しばらくポーちゃんと休みが合わなくて帰りそびれていたら、2年の月日が流れてしまった。
カイワレの部屋の扉を小さくノックし、ポーちゃんが顔をひょこっと出した。
「たいちゃん、おはよう!今日はいつもよりあったかいよ」
「おはよう、ポーちゃん。寒くなくて良かった。あの周辺ってさ、森で囲まれてて冬場はとくに、気温が低くなるもんね」
うんうん、と首を縦にふり、ポーちゃんは続けた。
「あそうそう、聖(ひじり)先生への手土産はどうする?」
「そうだねー。最近駅前にできたケーキ屋で、先生の好きなエクレアでも買っていこうか!」
そうカイワレが提案すると、ポーちゃんは少しだけ考える仕草をしたが、
「わかった、そうしよ!」
と笑顔で応え、その扉をゆっくりと閉じた。
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