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【読書感想#1】遠くから来た手紙

先月のことだった。
彼からのLINEが文庫本の表紙。
私のお気に入りの靴も一緒に写り込んでいる。
何がって、その足音が好きなんだわ
そう思いながら1人で書店に向かった。
普段通販ばかりしているので、
探すこと自体が楽しい。
スイッチが入ってしまい、
2軒目で無事購入できた一冊。
その「海の見える理髪店」から
特に印象的だった「遠くから来た手紙」の
感想文です。

コミュニケーションの手段が幾つかあることで
こと彼と私の関係においては
取り持てているところが大きいと思う。
手紙やLINEは、声や表情に頼れない分
悩んだり迷ったりしながら、言葉を選ぶものね。

その言葉だったり、文字だったりが
宝物になる感覚は、ものすごくよく分かる。
受け取る温度もまたその時々で変わっていく。
薄らいだり薄らがなかったり
時の流れととともに。
それは当然のことではあるのに、
忘れてしまっていた。
思い出を守ることと過去に縋ることは
似ているようで違うと思う。
思い出は思い出として、綺麗に残すためにも
悪用してはいけないなと思った。

薄々と涙腺刺激されていたけれど
丸く収まって、嬉しい気持ちで読み終えた。

わたしも宝物の手紙を持っている。
ストーリーさながらの味気ない封筒で
渡された瞬間のことは今も鮮明に覚えている。
嬉しいのに勿体無くて開けなかったことも。

読み返すたびに思う。
改めて言葉の大切さを。
褪せないものは褪せないんだな。

奥の方に紙切れが一枚。
Googleアカウントのパスワードが
一緒に入っていた。
散らかりっぱなしのデータ管理事情を見かねて
預け先を持ってた方が良いという話になり
「じゃあアカウント作っててよ、適当に」
と、その流れで考えてくれた。
Googleアカウントそのものが
私にとってはプレゼントみたいなものだけどな。

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