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【本】空が青いから 白をえらんだのです

空が青いから
白をえらんだのです

奈良少年刑務所詩集

寮 美千子 編/新潮文庫

書く仕事を立て続けにいただいたり、また、この時局下で、こうしてこの場で、表現者として発信することが日常となったりして、あらためて「ああ、やっぱり自分は書くことが好きなんだな」と思ったりしました。

多分、なにかを書いたり、わたしたちのように、ひとまえでおはなしをしたり、そういうことが苦手だというひとも、たくさんいらっしゃるでしょうが、では、本を読んだり、ひとのはなしを聞いたりするのはどうでしょうか?

そもそも、書いたり、話したりする以前に、わたしの場合は読んだり、聞いたりすることがとても好きです。その延長線上に「書く」「話す」があるような気がします。

頼まれて書く文章と、ここに書いている文章とでは、まったく性質がちがいます。頼まれて書く…ひらたく言えば、お金をいただいて書く文章は、少しクサくなります、キザになります、はやいはなしがカッコつけます。そうなっていないか、気をつけるようにはしますが、ついつい。

ですから、この本を手にとり、一編一編の詩を噛み締めるように読んだとき、自分のそんな文章が軽薄で、空虚で恥ずかしくなりました。中身は説明するまでもなく、「奈良少年刑務所詩集」がすべてです。彼らの詩と、編者のひと言、時折は挿しこまれる、かつての明治の五大監獄・奈良監獄の写真がとても美しいです。

なにも書くことがなかったら、好きな色について書いてください。

そう、課題をだされていたそうです。

落語家でなかったら、表現者でなかったら、書くことが好きでも得意でもなかったら、わたしはなんて書いていたのでしょうか。



書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。