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フィルトレーションのあれこれ

SUNSET CELLARS hatone(はとね) fah(ファー)です。米カリフォルニア州でワインを生産しています。

"ボトルショック"という言葉をご存知ですか?

ワインを樽から瓶へ移し替える際、フィルトレーション(濾過)等のプロセスで過度な負荷がワインに加わり、ワインの品質に一時的な影響を与えます。このことをボトルショックといい、実施したプロセスによっては3-6ヶ月ほどの期間、ワインを休ませる必要があります。ナパヴァレーではその名前にちなんだ一大ロックコンサートイベント(BottleRock Napa Valley)が毎年開催されているぐらいです。

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2021年春に向けて、ボトリングの準備

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この冬、私たちも Afterglow のベースとなるカベルネ・ソーヴィニヨンのフィルトレーションを実施しました。2021年春には、複数の赤ワインをボトリングする予定があるためその事前準備です。
無濾過ワインなども世の中にはありますが、SUNSET CELLARS のワインは品質維持とオリの削減、そして私たちの求めるクリアなワインカラーを出すために、原則としてフィルトレーションをしています。

今回はクロスフローフィルトレーションという手法を使いました。
私達のテイスティングルーム、Suisun Valley Wine Cooperative でご一緒している Blacksmith Cellars のマットさんの力を借りて、濾過装置を私達のセラーに持ち込み、一気に作業をします。

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フィルトレーションにもメンブレン、クロスフロー、DE、パット、などと様々な方式があります。直接樽から樽へチューブをクロスさせ、その途中に濾過装置を経由してワインを流しながら濾過していきます。クロスフローというシリンダー構造のものを用いています。流れに身を任せるようにして、濾過フィルターに緩やかにワインを通すため、比較的ワインへの負荷が少なく、ショックが少ないのが特徴です。

メンブレンはカートリッジ式のフィルターを使ったより負荷が少ない濾過方式なのですが、カートリッジは再利用不可というデメリットがあります。クロスフローの場合はこのシリンダーのようなフィルターが何度も使えますので、地球環境にも優しいと言えます。

カリフォルニアは全州で コロナ禍が拡大し、Stay-At-Home Order (自宅待機命令) が続いていますが、私達のワイナリーは安全に十分気をつけながら、できる範囲で引き続き作業を進めています。

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SUNSET CELLARS

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