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Cat or Tiger No.2 の秘密

SUNSET CELLARShatone(はとね)fah(ファー)です。米カリフォルニア州でワインを生産しています。

2020 Springのクラブワインでは、ブレンド赤ワインのCat or Tiger No.2をお届けしました。
このワインは、江戸時代の禅画家 仙厓 義梵の水墨画"虎か猫"をラベルにあしらった SUNSET CELLARS オリジナルのセパージュ(葡萄の種類と配合)未公開のブレンド赤ワインでした。

【ワインディスクリプションより】
「ダークチェリー、熟したプラム、リコリスを連想する型にはまらないユニークかつ複雑なブレンド。その香りの奥に、大地を感じさせるチョコレートとドライハーブの風味が潜んでいます。10年以上の熟成年数を裏切るようなフレッシュな飲み心地とバランスが特徴です。この赤ワインに用いられている葡萄種は製造者のみのシークレットになっています。」

SUNSET CELLARS Vine Owner’s Club設立もうすぐ1周年を記念し、セパージュの公開と造り手としての想いを記事にしてみました。

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あっと驚かせたい、そんなブレンド赤ワイン

フランスのボルドーやコート・デュ・ローヌ南部ように、オールドワールド(欧州) では葡萄の種類を限定し、その地域の特定ルールに従ってワインをブレンドしていました。
一方、アメリカのワインメーカーはルール・伝統に縛られず、自由な実験を繰り広げます。ワインを造るにあたり、カリフォルニアンで自由なスタイルの探究心と革新の精神を取り入れ、経験豊富なワインテイスターでさえもあっと驚いてしまう、そんな新しい組み合わせを日々研究しています。

Cat or Tiger シリーズは、ユニークかつ型にはまらないブレンドで、葡萄それぞれの個性を驚くほど際立たせる、そんなブレンド赤ワインです。

Cat or Tiger No.2 のセパージュは?

2013 Napa Valley Barbera 50%
2008 Suisun Valley Petite Sirah 50%

Cat or Tiger No.2 は、2013年の比較的若いバルベーラの明るい酸味と2008年のプティット・シラーの成熟した深みが融合し、フレッシュでバランスの取れたワインに仕上がっています。

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北イタリア原産のバルベーラとフランス原産のプティット・シラー、この2つが同じ産地で栽培されていることはもちろん、同じワイナリーで造られていることも稀です。 この2つの葡萄から作られたワインをブレンドすることは、オールドワールドではきっと考えられないことだったと思います。さらに、通常のワイナリーでは特定のヴィンテージ(葡萄の収穫年)のサイクルでワインをリリースする傾向があるため、異なるヴィンテージのワインを保管し、ブレンドすることは珍しいことなんです。

そんな2つの異なる葡萄のワインには、とても素敵なコンビネーションになるような特徴がありました。 2013年のバルベーラは生き生きとした若い酸味があり、ワインを軽やかに演出します。 2008年のプティット・シラーは豊かな熟成感を持ち、イチジク、ダークプラム、ブルーベリーのコンポートのニュアンス、そして深い果実味を与えます。歴史が積み上げてきたブレンドルールや先入観を覆していく美しいマリアージュは、猫のように気まぐれで、カリフォルニアだからこそのものです。

ラベルの「虎か猫」(Cat or Tiger)は、禅の巨匠である仙厓 義梵(せんがい ぎぼん、1750-1837)の絵であり、この型破りなワインの背後にある型破りな哲学を反映しています。

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私達は常に新しいブレンドを探求しています。
 Cat or Tiger No.3 がどのようなものになるのかはまだお伝えできませんが、楽しく気まぐれなレッドブレンドになることは間違いありません。

次の季節もぜひお楽しみに!


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