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さんさーらとヤギの物語⑨衰弱するユリルとヤギの看護

5月4日

昨日の点滴のあと、ユリルが回復することを祈ったが、事態はよくならず。

夕方に、またひどい下痢。大量の水様便。

食欲も元気もない。小屋のそばに座り込んでいる。

もう、便は垂れ流しの状態に近く、栄養状態がかなり危ぶまれる状態に見えた。

16時ごろ、心配になり、獣医さんに連絡。

再び点滴治療が行われた。昨日念のために、と行った便の検査では、異常はなく、やはり最初の感染症の治療の効果はでていて、この下痢に関しては原因不明の状態のようだった。

お産が近いのかもしれない、その可能性もあるが、今日もまだ内診の結果お産は開始していなかった。

ヤギは難しい、原因不明で亡くなることはよくある。

でも、いまのユリルにできることはとにかく栄養と水分を与え続けること。

点滴も、今日から3日間は、続けてがんばってみましょう、と。

それでよくなった例もあるから、あきらめずやってみよう、との獣医さんの言葉を信じ、やれることはやりたいと思った。

点滴のあと、少し食欲を取り戻したユリル。

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とにかく食べれるときに食べさせる。

御覧の通り、お尻の汚れが、下痢の酷さを物語っています。。。

獣医さんが帰ったあと、夜は再びぐったりし、一時は、ハッハッハッと、浅い呼吸になりドキッとした時間も。

草を口元に持っていてもほとんど食べず、水はかろうじてたくさん飲んだ。

この日は次女の誕生日だった。

楽しく誕生日を祝っている途中も、何度も落ち着かずにユリルの様子を見に行ってしまった。

夜は心配で眠れなかった。

夜中に何度もユリルが生きてるか心配で見に行き、いろんな草や野菜を口元に持って行った。夜中にレタスだけかろうじて食べた。


5月5日

今日も点滴と内服。

午前中に少し活気が出て、自分で草を食べに行っていたが、症状は昨日と変わらない、あいかわらず水のような便が垂れ流し。

今日も獣医さんが、いろんな薬や栄養剤を試して、あれがだめならこれ、と、なんとか元気になるようにと尽力してくださっていた。

強制給餌、という方法も習った。

食欲がなくなったヤギに、一口サイズにちぎった草を口の中に草をねじ込む。

手荒なように聞こえるが、とにかく、ヤギが草を食べなくなったらそれは死を意味する。無理やりでもなんでもとにかく食べさせる。これをきっかけに再び食べ始めることがある。

過去にこれをすることでよくなった例があると聞き、少し希望がもてた。

少しずつしか与えられないから、大変ですよ、と言われたけど、それでユリルがよくなるなら頑張りたいと思った。

あと、ポカリスエット!水分補給に人間の飲むイオン飲料を2倍に薄めて飲ますのもいいらしい。

今日も夜通し、ユリルの看護をした。口に手を突っ込み草をねじ込み、シリンジでポカリを流し込む。

疲れた様子で、首をおろすたびに不安で、ユリル頑張れ!と声をかけ続けた。


5月6日

朝、再び元気がなくなる。

ずっと寝ていて、首もだらーんとしてる時間が長く、動かない。

声をかけても、綱を引いても立ち上がれない。

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強制給餌しても、あまりかまない、噛む力もなくなり、草がはいっていかない。

いよいよダメか、、いつも午後から来てくれる先生を待てず、早めに来てもらえませんか、と10時ごろ電話。

11時ごろ獣医さん到着。獣医さんがきたら、なんとか立ち上がったユリル。よかた!立てる元気あった!

点滴と、別の種類の下痢止めを使う。

獣医さんがおなかの触診して、思ったよりちゃんと(胃の内容物)入ってますね、頑張って食べさせてくれてますね。と言ってくれた。

しんどそうなのに無理やりねじ込むのに罪悪感もあったけど、よかった、とほっとする。

点滴のあと、少し元気になったユリル。顔つきもよくなった。

新しい下痢止めが効いたのか、垂れ流し状態だった便が減った。

本当にぎりぎりの状態だ。

今日で、獣医さんが言っていた点滴3日目になる。

明日、状態が良くなっていることを神様に祈る。

夜中、ユリルのところに様子をみにいくと、一匹の蛍がユリルのもとに下りてきた。

その蛍の光が、一筋の希望の光なのか、それとも。。。。



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