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私が味噌を作る理由

3月上旬、今年も味噌の仕込みを無事に終えることができました。もう私にとっては毎年の恒例行事になっていて、今年も無事に仕込めてホッと胸をなで下ろしているところです。

「手作りの味噌を食べている」と言うと驚かれたり、意識高いねー、みたいな風に思われます。確かに私も最初はそう思っていたけど、実際作り始めるとそんなに背伸びせずに出来ちゃいます!

継続が苦手な私でも味噌作りが続いているので、それだけの魅力があるということ。今回は私が味噌を作る理由について、書いていきたいと思います。

手作り味噌は明らかに味が違う

1番の理由はここですね。手作りの味噌は美味しい!もちろん市販の味噌も色んな種類があり、美味しいけれど明らかに味が違うのです。

5年前、はじめて味噌作りワークショップに参加した時に「味噌作り始めたらもう自分の味噌しか食べれなくなるよ〜、戻れなくなるよ〜」と言われたのですが、本当にその通りになってしまいました。


この味の違いは大豆の違いかと思います。手作りでも味噌は味噌なので、何これ初めて食べた味!とまではいきませんが、手作りの方が味が濃く、大豆をより感じる気がします。

私は仕込む時に茹でた大豆を手で潰していくのですが、どうしても100%ペースト状まで潰すのは難しく、大豆の形が少し残ってしまいます。これが良い味を出すのです。フードプロセッサーなどで潰す方法もありますが、私は手で潰す方法を推奨したい。

大豆が残りまくってるけど気にしない笑
ご飯粒みたいのが麹です。


味噌汁を飲んでいても、味噌炒めを食べていても、溶かした味噌を味わうというよりも、大豆を食べている感覚になります。潰し損ねた大豆が美味しいのです。市販の味噌はきれいにペースト状になっているのでうまく溶けるけど、手作り味噌は大豆がめちゃくちゃ残ります。私の潰し方が下手なのかもしれないけど、こういうところが手作りならではで面白いところ!

大豆・麹・塩だけで完成する

味噌作りの材料はこの3つだけ。このシンプルな材料で味噌は作られているのです。無駄なものが入ってないのが嬉しい。そして材料を揃えるのも簡単。今は様々なメーカーが味噌作りキットなるものを販売しているので、そのキットをポチッとするだけで材料は揃う。あとは味噌を入れる容器を準備するだけです。容器は普通にタッパーでも良いと思っています。私はなんだかんだ毎年100均一のタッパーで、冷蔵庫にも入りやすいので重宝してます。

大豆


こだわり始めると、大豆は自然栽培や有機栽培、麹も白米や玄米、色んな種類があり、どれを選んで良いか分からなくなります。最初はシンプルにメーカーがオススメしている作りやすい材料で、慣れてきたら色々とチャレンジしてみるのがオススメ!私は昨年、白米麹と玄米麹の2種類仕込んで味の違いを楽しんでいます。

仕込む喜び、1年のサイクルができる

発酵食品というのは不思議なもので、どうして大豆・麹・塩を混ぜるとあの味噌の味になるのでしょうか。全く想像がつきません。私たちは材料を用意して、混ぜ合わせてあげるだけで、あとは発酵に任せた!と熟成させるだけで完成してしまいます。

料理は具材と調味料を合わせてその場で完成する、仕込みはその場で完成せずに、時間をかけることでどんどん味が変化し、うまみが増していく。今、仕込むことで来年も美味しい味噌を食べることが出来る、と考えるとどんなに忙しくても味噌仕込みだけはしておこう、という気持ちになります。それが続くと毎年の恒例行事になっていきます。

毎年同じことを繰り返すのは、つまらなそうで、実はとてもありがたい事だなと最近になってようやく気付きました。

20代前半の若い頃は、落ち着きがなく、来年の今頃はどこで何をしているか分からない状態でしたが、ここ近年は私も少し落ち着き、きちんと生活を出来ている気がします。

その証拠として毎年欠かさず味噌作りが出来ている。今年も味噌を仕込めてありがたいな、また来年もよろしく、と日常に感謝が溢れます。

日本人の暮らしに味噌は不可欠

「手前味噌」と言う言葉がありますが、意味は『自分で自分を褒める事、自慢』です。かつて味噌は自家製で、自分が作った味噌を互いに自慢し合ったことからできた言葉です。
この言葉からも分かるように、味噌はみんな家で手作りしていたのです。それが当たり前であり、必要不可欠な調味料でした。

土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」の本を読み、私は味噌汁の偉大さを改めて感じました。

発酵食品である味噌は体にもよく、味噌汁は毎日食べても飽きない、何を入れても美味しくなる。究極、味噌汁に1日分の野菜を入れて食べれば、その日のご飯は完結する。難しい献立を考えず、お家ご飯は白米と味噌汁だけでも良いのでは無いか。(詳しくは本を読んでみてください。オススメです)

和食が世界無形文化遺産に登録されましたが、これは絶滅危惧種だということです。

この本を読んで、ますます味噌作りは続けていこう、出来るだけ味噌を食べていこう、と思うようになりました。

味噌の仕込みは、一応冬に仕込むのが美味しく作れると言われていますが、基本いつでも仕込みは出来ます。作り始める最初の一歩が中々重いと思いますが(実際私がそうだった)、興味ある方はぜひ味噌作りの世界に入って欲しいです。すでに味噌作りしている方は、このルーティンを崩さず、毎年楽しく手作り味噌ライフを満喫しましょー!

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