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Create Cat☆彡☆彡★★★★#44

第四十四話 ゴーストタウン

 月曜日 
 エンピツは学校へ向かった。ところが学校には一匹も猫がいる気配はない。さすがに鈍感なエンピツでも不審に思い、町の猫に聞いてみようと向かったが、そこはゴーストタウンと言われる場所になっていた。つまり誰もいない、ということだ。もうこうなったら、すべての疑問を解消してくれるのはクレヨンしかいない。なんとしてでも探し出そう!

数分後

 普段はストレスはあまり感じないエンピツはクレヨンの家が何処にあるのかについての手がかりすらつかめない状況で苛立ちを感じていた。自分の集中力が尽きたのを感じたエンピツは、住宅街のベンチに座った。するとどこからともなくネコの影が現れ、
「何でここにいるんだ!」
と息をひそめながら叫ぶという器用な技を使いながら言う。それはオスの三毛猫であるクレヨンだ。
「どうしたらこんな時に外に行けるんだ!」
クレヨンは続ける。
「今、にゃん防(※にゃんこ外出防止法)が出ているんだぞ、どうして外をうろついているんだ!」
と言い切られた後でエンピツはやっとそのことを思い出した。
クレヨンは続けざまに言う。
「君は分かってないかもしれないけど、家以外何もない道で、真っ白な猫がほっつき歩いていたら目立ちに目立つよ。」

「言われてみれば確かにそうだ」とエンピツは思いながら、どうやらクレヨンの家らしい綺麗な家に引き込まれた。
 何でクレヨンに行こうと思ったのだろうとも考えながら。

玄関を開け靴を脱ぐとドンガラガッシャンとマンガみたいな、物が倒れる音がした。

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