夏の終わり 山梨にて
「あの曲をかけて」
調布ICを過ぎる頃になると、隣の席からいつもリクエストされ、相模湖を過ぎる頃には、必ず微睡みの中にいる。
いくつものトンネルを抜け、2時間と少しで勝沼の葡萄園に着いた。
粉が吹くような感じに、白い粉がついた大きな粒のぶどうは、片手では持てないほど大きく、良い香りがしていた。
大きな紫色の粒の葡萄は、ほどよい甘さで美味しいが、一房全て食べきれないほど大きい。
スーパーや、果物店で販売されている物よりもとても立派なものだった。
小一時間ほど、葡萄園で過ごし、近くのおすすめのワイナリーを教えてもらった
ワイナリーには、10分ほどで着いた
ヨーロッパをイメージした建物が晴天の空ときれいな景色をつくっている。
ワイナリーの売店に立ち寄り、数本のワインを選んだ。
車なので試飲でき無いのが、残念だった。
ちょうど、売店の隣にレストランがあったので、少し早めだがビュッフェスタイルの昼食も楽しんだ。
パスタや、肉料理にお魚などがメインで、他にサラダにデザートが数種類あった。
どれも手の込んだお料理だったが、女性向けなのかデザートが少し甘すぎた。
まだ、チェックインの時間に少し早いので、山梨県最古の温泉 岩下温泉に立ち寄った。
趣あるタイルのお風呂は、気持ちまでほっこりさせてくれるようだった。
古民家の様なカフェで一休みして今夜の宿 ホテル春日居に向かった。
アーチ型の丸い天井、広いロビーが印象的であった。
お部屋は和洋室で、大きなベッドにリビングセットがバランス良く配置されていた。
嬉しかったのは、洗面が2つあるので二人でも急ぐこと、メイクや手洗いなどができそうだ。
窓からは、甲府市街地の景色がよく見えた。
今眺めている先に見える八ヶ岳のホテルで、去年は夏の終わりの時を過ごした。
去年のホテルは、山岳リゾート風だったが、ここはシティホテルのような感じだが、和洋室に大浴場と、温泉旅館のような雰囲気もあり落ち着いた感じがする。
夕食は、珍しく中国料理だと聞いて、どのようなメニューかと楽しみにしていると、地元のワインビーフや富士桜豚などを使った中華料理の油っぽさなどがまったく無い、上品で美味しいお料理だった。
一休みし、ワインバーに行くと多くの甲州ワインが揃えられていて、昼間とは違う美しさの甲府の夜景を眺めながら、いろいろなワインの飲み比べを楽しめた。
ソムリエに聞いたら、葡萄園で教えてもらったワイナリーは地元ではかなり古くからあるワイナリーらしく、飲み比べをした銘柄にも、そのワイナリーの物が2種あったらしい。
いずれもワインも深い香りで美味しいワインであった。
朝食は、ブッフェスタイルでメニューも多く、温野菜のサラダが美味しかった。
夏ならば、プールも楽しんでゆっくりできそうな、素敵なホテルだった。