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文字の魅力

新卒で数日の研修を終えたあの日、配属先の職場に移動してその日は挨拶だけ。
翌週からのお仕事に向け、期待と不安を募らせていた。
配属先は文字を扱うお仕事。


元々、数学や科学・物理学が得意だったわたし。
国語や古文は得意でもなく不得意でもなく、昔からごく平均的な成績だった。
夏休みの宿題で定番の読書感想文なんかも、周りの子が「書くの苦手〜」って言っている中、400字詰め原稿用紙を1枚半くらいはサラサラと書けたので、苦手意識は特になかったし今でもない。


そんなわたしがお仕事として文字に関わると、今まで考えたこともなかったような事や、注意しなければならない事、勉強不足で覚えなきゃならないことがたくさんある事に気がついた。
同じ漢字でも複数の字形がある「異字体」や、文字校正の時に使う「校正記号」なんかは知ってないと「はぁ?なにそれ」って感じになってしまう。

校正記号の例です
なんとなく分かるところもあるけれど‥‥


ベタ?三分・四分?トルママ?‥‥ナンノコトデスカ?
って感じで、意味が分からないと校正紙に指示された内容もさっぱりわからない。
ちなみ一部の校正記号の意味は

ベタ・ベタ打ち = 字間なく文字を配置する事
三分・四分アキ = これも字間のこと、三分は文字の大きさの三分の一という事
トルママ = 指示された文字を除去して、その文字があった部分は空白にしておく事

って感じ。


文字の大きさにも単位があるって事を知ったのも、社会人になってから。
PCで文字打ちをしていて、何気なく使っていた文字の大きさの変更。
そういえば数字の横に「pt」って書いてたなぁ、くらいにしか感じていなかったけれど、それ以外にも「級数」という文字の大きさの単位がある事も初めて知った。


級数は「Q数」とも書くことがあって、Q = クウォーターという意味がある。
まんまその意味なんだけど、1級(1Q)は0.25mmという事。
だから12級は3mm角の四角形(仮想ボディとも言います)に、若干のアソビをもって入る文字の大きさって事。


今は「ポイント」が文字の大きさの単位の主流だから、場合によっては「級数 ⇔ ポイント」の換算をしなきゃならない事もある。
1ポイントは1/72インチなので、ミリに換算すると「0.3514mm」と中途半端。
日本人の感覚ではメートルやミリの方が分かりやすいので、本当は級数の方が使いやすいなぁって、そう思う。


そんな事を日々勉強しながら、文字校正や編集のお仕事を覚えていった事がベースになって、今でも文字に関わるお仕事を続けている。
お仕事だけじゃい、ココnote でも日々多くの記事に触れて文字の、文章の魅力を感じながら過ごせるのは楽しくもあり、しあわせな事。


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