エッセー:いにしえCMフィルム屋さん

 花言葉日誌を書いたときに、正月の件が話題となり、関連立って思い出したCMがある。

 おしょうがつをうつそ♪、フジカラーでうつそ♪。

 年代的に80年代後半から90年代にかけてのキャッチコピー、その世代を民放テレビ交えてリアルで生きた方々ならご存知かと思うが、富士フイルムのCMである。

 いまやカメラもスマホの時代、それも静止画でなく動画で一攫千金の職を小学生達が夢見る時代。正月をキリッとした家族総出で集合写真1枚、とはそうそうないとしか思えない。それだけ生活習慣が変わった証なのだろう。多分今どきなら、普通の暮らしのままでの正月を動画のLIVEでたれ流しながら、記録が残ったものをスマホの位置ホルダに格納、で終わりか、たまたま面白げな出来事が起きたら、バズりそう、と思ってSNSに拡散、てな感じだろうか。
 民俗学という、ひとの文化を検証する学問があるが、後の未来の時代で今の状況を歴史的に振り返るとしたなら、もっと進んだツールで「昔はスマホというものがありまして」なんて、書かれる(あるいはAI音声でささやかれたりする?)のかなぁと、しみじみ思ってしまう。
 それでも、音だけのフジフィルムのキャッチコピーが頭に残ってる、というのは、人間の記憶にまで訴えれた当時のCM制作者の勝ちなんだろう、とも思えて笑えてくる。なにせフィルムは全く使わなくての、キャッチフレーズの独り歩きだから、である。
 企業が勝ち負け(商品売買、売上)にこだわらなくなっても、言葉が生きる、こんな言葉を創れたら、社会の中で少しずつ書き物の創作をし始めたクリエイターたる私自身も嬉しいな、とも思えた笑笑。なるべくなら、音も使わない攻め方を正攻法と考えながら(どれが正攻法、正解ってわけではないですが)、創作の筆を握り続けたい。

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