日本語補習校ママさんのツイートを見て、バイリンガルだった自分の苦労をふと思い出す
(あれっうまく埋め込まれない?)
(件名の「日本語補習校ママさん」というのは便宜上私が勝手にそう書かせていただきました)
(人のふり見て我が振り直せ、というか、親視点で自分も息子のためにがんばらなきゃ…と思得るキッカケになり、こちらのツイートに感謝しています)
(あと、本筋とは関係ないけど補習校があっていいな…)
娘さんの気持ちがわからなくないというか、想像できて切なくなりました。
以下、日本語に関して悩みがそれなりに多かった私のポエムです。
さて本題。
私は子どもの頃、日本で「朝鮮学校」というちょっとかなり特殊な学校に通っていました。どう特殊かと言うと、今は知らないけど80年代90年代当時のあの学校は「学校で日本語をしゃべったら怒られる」みたいな環境です。
日本にいながら日本語をしゃべらない生活をしていました。
これを読んでいるマレーシア在住の方に「マレーシアにいるけどマレーシア語はしゃべらない生活」と言えばご理解いただけるかなと。
まぁそれでも、日本語はわかるんですよ。なんでわかるんだろう?親がしゃべるから?学校では週に4-5時間くらいしか日本語の授業がなかった割にはできる。まぁ学校の外に出ればそこは日本なので、家族との会話も基本的に日本語だし(いや、朝鮮語との半分半分かな)、テレビも日本語だし、本も読むし、漫画も読むし。漢字検定は2級取ったんじゃなかったっけ??
そんな私、高校生のときにマクドナルドでバイトを始めました。日本語ネイティブなので接客で困ることはなく、むしろ高校生の中では昇進スピードが早く高2の秋にSTARという役職を与えられ、みんなとは違う制服を着て時給もちょっと上がったりしました。そういう感じだったので、同年代の日本人よりは敬語の使い方も上手だったのでは、と思います。
そんな私でも、日本語が不安になることは多々ありました。
「周りに同世代の日本人ばかり」という環境が初めてだったのと、土地柄ギャルが多く(それでもマックでバイトする子なので髪の毛は黒いんですが)、そこで初めて耳にする若者言葉の多いこと多いこと。
今思えば、普通の日本人でもわからないような若者言葉ってたくさんあったと思うんですが、当時はそれがそうかもしれないということもわからず、「やっぱり朝鮮学校に行ってるから、自分は語彙力が劣ってるのかも」と焦ったりしました。ポケベル文化にも必死に食らいつきました。
バイリンガルだとこういうことが起こるのか、と痛感した出来事があります。
これはバイト中に社員さんに指摘されて気づいたんですが、私は「トイレットペーパー」のことを無意識に「ティッシュ」と呼んでいました。
その気づいたキッカケというのが、バイト中のこの会話。
平謝りでしたwww
実は朝鮮語だと、ティッシュやペーパーナプキン、トイレットペーパーはすべて「휴지(ひゅじ)」なんです。
トイレットペーパーという物体に対して思い浮かぶ単語が朝鮮語だと「휴지(ひゅじ)」で、私はそれを日本語に「ティッシュ」と変換し、社員さんに「ラウンドに行ってきます。ついでにティッシュの在庫(略)」と言ってしまったのです。
無意識って怖いなーと思ったし、やっぱり私は語彙力がちょっと少ないのかな、と思ったりもしました。
私は今年で44歳です。日本で生まれ育ち、日本の私大を出て日本で就職したのでそれなりの「日本的な常識」は身についたと思っています。広報としてメディア向けのプレスリリースを書く仕事をしていましたし、これまでいろいろな媒体で原稿を書いてきたりもしました。日本語に関しては、ネイティブレベルです。
が!それとこれとはまた別というか、どんなに日本語がネイティブでも「日本の義務教育を受けていないからわからないのかな」と思うことも今でもたくさんあります。
例えばこんなのとか。
ほかにも、こんなのとか。
日本で義務教育を受けた日本人の中には、「いやー自分だって覚えてないし」「知らなかったし」という方も多いんですが、そうじゃないんですよ。
親から習う環境を与えられた(けど覚えていない)人と、「親の教育方針や生活環境のせいでそれを知る環境にいなかった自分」は違うんです。
「みんなが当たり前に習って知っているであろうことを、私は習っていないからわからない」というのがイヤだったんです。
こういうのって、当事者じゃない人にはささいなことかもしれないんですけど、当事者はそれなりに悩むし、そういうのの積み重ねが、日本語補習校ママさんの娘さんにもいろいろあったんだろうな、と勝手に想像しちゃいました。
そんな私が、「仕事してたらそのまま海外生活が長くなり、結婚して出産した」ことで、結果的に子どもに自分と似たような苦労をさせることになってしまうとは…
なんの因果でしょう。いつか子どもに文句を言われる日が来るかもしれませんね…
なので、子どもの日本語教育にはちゃんと責任を持たないといけないなとしみじみ思いました。
息子は日本と韓国の二重国籍なので韓国語もできたほうがいいとは思うけど、日本語でお腹いっぱいかなー。韓国語のテキストを見たことがあるんですが、自分が学んだ朝鮮語とはやっぱり違いすぎるので、私が教えるのは無理ゲーっぽいです。インターに入学したらマレーシア語と中国語もやらなきゃいけないしね…
以上、ちょっとポエムでした。
余談ですが、私の場合、日本で学んだのは韓国語ではなく「朝鮮語」なので、韓国語ネイティブの会話に入るのもそれなりに苦労します。
日本語ほどスムーズにはいきません。圧倒的に経験値が足りてないから。
英語なら「まぁ外国語だしね」と割り切れるけど、自分の国籍の国の言語なのに、という負い目がなくはないです。
なのでそういう観点でも、息子に「日本人なのに、日本語が…」という負い目を背負わせかねません。
息子が日本の小学生の年齢になったら、年に1-2回は一時帰国して日本の小学校に体験入学させたいと思っています。
個人的には夫の地元か、教育留学の受け入れがさかんな秋田のどっちかかなーと。っていうかこまちに乗って秋田に行って安藤醸造で爆買いしたい。
最後、余談の余談。
この本、オススメです。
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