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親心、子知らず

読みに来て下さり、ありがとうございます。
長男の自己肯定感の低さを克服したい ゆにです。
育児って、一筋縄ではいきませんね。

我が家の長男は、長所がいっぱいある、私にとってはかわいい子どもです。
しかし、自己肯定感が低いのです。

長男が小さいころ、初めての子どもということもあって、つい期待し過ぎてプレッシャーをかけてしまいました。
私も夫も余裕がなくて、つい厳しく接していました。
今思うと、悪いことをしてしまったと反省しています。

これから取り返すにはどうしたらいいか。
長男の自己肯定感を高める方法って、何だろう。

ネットで検索すると、「褒めて伸ばす」「共感する」など、たくさんヒットします。
私も検索した方法を実践しました。

ただ、慣れないというかしっくりこないのです。

しっくりこない原因を考えてみた時、思い当たることがありました。

実は私自身、親から褒められたり感謝された経験があまりありません。
テストで100点とっても、お手伝いを頑張っても、両親は褒めてくれませんでした。
それどころか、「まだこれから。もっと頑張れ」と言われる始末。
今思えば、親としては励ましているつもりだったのでしょう。
でも私は、「頑張りが足りないから、認めてもらえない」と思うようになってしまいました。

頑張りが足りないから、もっと頑張らなきゃいけない。

ずっとこう言われて育ってきたので、結果が期待通りにならないとき、私はすべて「もっと頑張ればよかったのに」と自分自身を責めるようになってしまっていました。

それを知らず知らずのうちに、長男に押し付けていたようです。
自分が育てられた方法でしか、接することが出来なかったのです。

褒めると言っても、褒め方を知らない。
私自身の自己肯定感が低いから、私なんかと違うって考えてしまう。

どうしたものかと悩んでいたとき、実家に子どもたちを連れて行く機会がありました。
ちょうど、1年ぐらい前のことです。

私たちが実家に入ると、孫がかわいくて仕方ない両親は、さっそく子どもたちを褒めて褒めて褒めまくりました。

「私には、そんなに褒めてくれなかったな」

心の中で思わずつぶやいてしまいました。
しかし、心の中だけのつぶやきが実際声に出ていたみたいで、両親の顔が一瞬曇りました。
しまったと思った時には、もう遅い。

両親は私に向き直り、神妙な顔で言いました。

「ごめんなさい。もっと褒めればよかったって私たちも後悔してる」

さらに母の懺悔は続きます。

「私が子供のころ、両親に褒められてこなかった。いつも頑張れって言われてた。だから、どう褒めていいか分からなかったし、あなたを一人前にしなければって気持ちで、とにかく頑張れって言ってた。でも、それは間違いだって最近気づいた」

「そうだったの…」

私も真剣に聞きます。

「いつの間にかあなたは完璧主義を身につけて、生きづらそうにしていた。だから心がポキッと折れると、立ち直るまでに時間がかかる。でも、心を強くすることより、心をしなやかにすることを目指さなければいけなかった。しなやかな心の持ち主に育ってほしかったのに、逆に育ってしまった。うつになったって聞いたとき、しまったと思った。ずっと謝りたかった。今までごめんなさい」

気付くと、母は涙を流していました。

「だからせめて、あなたに褒めてあげられなかった分、孫にはいっぱい褒めようって父さんと決めたの。あなたたちの余裕のない部分を、私たちで補おうって」

母は、そこまで言うと、嗚咽しました。

(手探りで、必死に私を育ててくれたんだ)

私は、聞けて良かったと思う反面、まるで両親を責める構図になってしまったことを後悔しました。
責めたかったわけじゃない。
アドバイスを聞きたかったはずなのに。

「そうか…分かった。私はお母さんのこともお父さんのことも責めてないよ。育ててくれたんだし。私の自己肯定感は、これから自分で回復させるよ」

泣くのを堪えながら、何とか私は母に伝えました。
さらに続けます。

「実はさ、長男が自己肯定感低くてどうしたらいいか分からないの。ネットや本を読むと、褒めるとか共感するって書いてあるけど、褒め方が分からなくて。ぎこちなくなるの。どうしたらいいんだろう」

すると母は、涙を拭きながら一緒に考えてくれました。

「誰かと比べて褒めるのは、あまり良くない気がする。できたことに対して、頑張ったとか褒めるのはどう?できるようになったことはもちろん、結果が出なくても努力したことに対して褒めてあげたいね」


あれから1年。
長男の自己肯定感は相変わらず低いです。
ただ、少しだけ変わりました。

手伝ってくれた時は「助かったよ、ありがとう」
ピアノの発表会で精いっぱい演奏できた時は「嬉しいね、よく頑張ったね」
テストでいつもよりいい点を取った時は「すごいね。勉強した甲斐があったね」

褒めることだけでなく、私の感情も伝えるように工夫したところ、表情が明るくなってきました。
私がやってきたことが心に響いているのではと、夫は言います。

一朝一夕で変わるものではないので、今後の継続が一番肝心。

さぁ、今日もまた、長男のいいところを発見しよう。
精いっぱい、愛情をかけよう。

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