テクノロジーと、じじと孫

今、おじいちゃんとおばあちゃんから電話かかってきてるんだけど、
ちょっと顔出せない?

これから勤務を始めようか、とパソコンを立ち上げた私に
父が声をかけに来た。



父方の祖父母は2人とも健在なのだが、
そもそも物理的な距離も遠い上に、このコロナ禍。
かれこれ2年ほど帰省できていない。

せっかくだし、顔を出そうかと
父に言われた通り、リビングに行くと
どうやらSkypeで通話中のようだ。


私が来たことに気づいた祖父母が
タブレット端末越しに手を振ってくる。

たいがい、祖母はバッチリ映っているのに
祖父が半分くらいしか映っていないのは
ご愛嬌ということで。


おはよう、と声をかけて、
次の瞬間、あることに気づいた。



画面に字幕が出てきているのである。




私を呼びに来た父がどこか得意げだったのは
これだったのか…!と合点。


どうやらSkypeには、
音声をその場で識別して字幕表示する機能があるそうで。

これが結構精度が高くて、
個人的な感覚ではあるけれど、8割方正しく表示されていたように思う。


祖父はだいぶ耳が遠くなってしまって、
最近、いわゆる電話で話すのは少し難しかったのだけれど

これなら祖父もちゃんと話についてこられる、というわけだ。



画面に映る祖父も、どこか嬉しそう。

そりゃそうだよね。
話がわからないのに合わせてニコニコし続けるのは
元々おしゃべり好きな祖父には辛かったはずだ。


これはすごいねえ、と私が話しかけると
本当にねえ、テクノロジーのお陰様だねえ、とニコニコな祖父母。


でも私からすれば
字幕を表示させる技術そのものはもちろん素晴らしいけれど、

この機能、使えるかも?と気づいた父も、
80を超えても、新しいものを試してみようとする祖父母の好奇心も、
素晴らしいな、と思った。


テクノロジーは、人の心あってこそなのかもしれないな。

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