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友人の宝塚デビューを見守った話

宝塚のショーが生で見たい!

社会人になる前に遊んでおこう!と中高時代の友人たちと遊びに出かけた時、
そのうちの1人から、こんなお願いをされた。

漫画や映画が原作の作品の上演が話題になって
これを見たい!と言われることは多いが、

ショーを見てみたい!と言われたのは初めてで。


これぞ友人を沼に引き入れるチャンスだ!と燃えたわけだが
当時、残念ながら東京公演でチケットを取ることはそう簡単ではなく。
かといって、いきなり宝塚大劇場に行こうぜ!というのもハードがすぎる。


そんなわけで、なかなか連れて行ってあげることができず、
そうしているうちに、お互い仕事に忙殺されて、
そうしているうちに、コロナに突入してしまい。

詰まるところ、のびのびになってしまっていた。


最近、たまたまご縁があって、
チケットを複数枚お譲りいただけることになり。

その友人のことを思い出して、ダメもとで連絡してみたところ
なんと奇跡的に予定が合った。

ついでに、共通の友人1人(過去に観劇済み)も
ショーを浴びたい!!と騒いでいたので
一緒に来てもらうことにした。
仲間は多いに越したことはない。ありがたい。

それにしても、
数年ぶりの再会が東京宝塚劇場になるとは(笑)



待ち合わせは劇場前。
久しぶりに会うからわかるかな、と心配していたけど
びっくりするくらい何にも心配いらなかった。
人間そうは変わらない。


もう1人の友人が到着するまで、
そもそもなぜ宝塚に興味を持ったのかと尋ねると
「ほら、カラオケで流れてるじゃん?あれを見たの!」という。

なんと、そんな経路が!

友人の話によると、
カラオケによっては宝塚のショー作品が入っている機種があるらしく

しかも歌も収録されている(つまりカラオケ用ではない)そうで。
たまたま観て、大変気に入ったのだそうだ。

道理で、友人が「このショーが良くてね!」と名前を挙げるショーが
少し前の作品だったわけだ、と納得。



劇場を眺めながら、
「とうとう私はここに足を踏み入れるのね…!!!」と
気合を入れている友人を見ていると
初めてここを訪れた日を思い出す。

宝塚に関する前知識が
「全員女性」「天海祐希さん」くらいしかなかった私にとって、
まさに劇場の中は未知の世界。
入るまでとってもドキドキしたものだ。

劇場の前で箱を持って立っている人たちがずらりと並んでいて
一体これはなんだろうか?と首を傾げたりなんかして。
懐かしいな。





さて、次第に気合がピークになってきた彼女、
パッと私の方に振り返って、

「ねえ、何を気をつけておけばいい?
 とりあえずスマホの電源切って前のめりにならなければ大丈夫??」と尋ねてきた。


がっつり調べてきている…!!!
想像以上に気合い十分!!!



スマホの電源は理解してもらいやすいのだけど、
前のめりに気をつけてねって伝えても
どういうこと?って顔をされることも多い。

一度経験するとよくわかるのだけど、
確かに前のめりがなぜダメなのか、ぱっとイメージするのは、すこし難しいと思う。

なので、最初からわかってくれているのはとてもありがたい。

ちなみに前のめりについてはこちらがわかりやすいので
説明の時に愛用している。



そうしているうちに、もう1人の友人も到着。

現在劇場は感染対策で私語禁止なので
その旨を言い聞かせてから席に向かう。


細部まで夢が行き届いた美しい劇場なので
本当はおしゃべりしながらゆっくり見て回りたいところなのだが
今回は泣く泣く我慢。
またいつか、コロナが明けたら。


席に着くと、早速隣で友人が
一生懸命オペラグラスのピントを合わせている。

オペラグラスがなくてもいいのだが、やっぱりあると楽しい気がして
初観劇の人を連れて行く時は、念のため2台持って行くことにしているのだが
どうなることやら。




やがて、第一幕が開演。

楽しんでるかなあ、と横を気にしていたが
すぐに心配が吹っ飛んだ。

割と序盤から、見事にオペラグラスを使いこなしている。


そして、途中から明らかに
特定のジェンヌさんが出てくるときにオペラグラスが上がっている。

本当に初観劇か??と思わず笑ってしまいたくなるほどの
お見事なオペラグラス使い。




そして第二幕はお待ちかねのショー。

隣からも感じる、明らかにボルテージが上がっている(笑)
そしてオペラ使いにもますます磨きが。なんという素質だ。



まあしかし、この華やかさと色使いとキラキラ感の洪水に浸れるのは
宝塚しかないよなあ、と改めて感じる。

初めて観た時は、何が起きているんだ???
はてなマークで頭いっぱいになったのだけど
見れば見るほどハマってしまうのがショーの不思議なところだ。


そして締めはもちろん、あのでっかい羽根!!
いわゆる「パレード」と呼ばれる、ショーのフィナーレを飾る場面だ。

最後にキラキラが渋滞しているパレードで締めくくる、
これがないとショーは終わらない。



隣で明らかに「羽根だ…!!!」となっている友人の様子に、
これは確かに生で見た時感激するよね、とつい微笑ましい気持ちに。





こうして友人の初宝塚デビューが幕を閉じたわけだが。

「色々浴びすぎてお腹がすいた」という一言に 全員が同意し、ランチを食べに。




お店に入って席に着いた瞬間
いやー…すごかったわ」との一言。

うんうん。そうなるよね。

そこから怒涛のように感想トークが繰り広げられたのだが
彼女の感想がとても面白かったので、抜粋してお届け。


いやーついオペラで見ちゃうよね。美しいがすぎる!!

わかる。抗えない何かがそこにあるよね。

足長すぎじゃない?
股下2メートルはある。絶対にある。

そういう人がなぜか集結するのがここ宝塚なのよ。世界の七不思議。

これ、主題歌だけ買えないのかなあ?
これ聴きながら仕事したい!

配信で1曲ずつ買えるんだよ、と伝えたら目をまんまるくしていた。
宝塚は本当、驚くくらい供給が多いのだ。
本当にありがたい。

ショーはさ、途中で考えることやめたわ。
各シーンの繋がりとか。

もう1人の友人曰く
「あれはハイライト集なんだよ!」とのこと。
なるほど。

ストーリーが一貫しているものもあるけれど、
なぜこのシーンのあとにこれ!?とか考え始めると泥沼にハマるものもあるので
「考えるな、感じろ」はある意味正解な気がしている今日この頃。

明らかに羽根がスポットライトからはみだしてるんだけど、どういうことなんだろうね?

それはむしろ私が聞きたいわ。
そもそも、羽根を背負わせてみよう!っていう考えに
一体どうやって至ったのか、ものすごく気になっている。

色彩とキラキラの洪水に一気に押し流された感じで
勢いが過ぎたんだけど…


それが、宝塚のショーなのです。




仕事で疲れた時に定期的にキメたくなるねこれは!と
すっかり気に入った様子の友人。
またショーがある作品を見に行こう、と約束してその日は解散となったのだった。


初観劇が良い思い出になってくれたみたいで、嬉しかったなあ。

さあ次は、何を観に行きましょうかね。


▼宝塚とは?を知りたい方はこちらもどうぞ♪

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