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叫びでも、囁きでも


最近読んだ、原田マハさんの小説「ロマンシェ」に、

こんなフレーズが出てきた。


君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。


初めて読んだとき、なんだか掴みきれなくて、何度か前後の文脈含めて読み返した。

どこか引っかかる、不思議なフレーズ。

一体、この言葉の持つ力はなんだろう。


気になった私は、何か原田さんの意図を知れるものがないかと探し始め、

とあるインタビュー記事に辿り着いた。


その記事で、原田さんはこのように語っている。

アウトプットしないと、可能性自体が生まれません。「実現力」とか言うと新書のタイトルみたいですが(笑)、今回の展示も含め、実際に具現化しているのは賛同してくれた周りの人たちであって、私はほとんど妄想めいたアイデアを思い付いたに過ぎない。ただそのアイデアを声に出さないと、『君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。』にはならないんです。このことは展示や小説の重要なメッセージでもあるし、私が人生を通して実践してきたことでもあります。叫びと囁き、つまり大きくても小さくてもいいから、まずは自己表現をしないと。
(https://www.cinra.net/interview/201601-haradamaha より引用)

実際に声に出すことで、「妄想めいたアイデア」を実現へと導いてきた

原田さんだからこその言葉が、カッコよくて思わずため息が漏れた。

それと同時に、

囁きだとしても、思いを口にすることには意味がある。そう言ってもらえるのは、

大きな声を上げるのが苦手なわたしのような人間には、とても優しくて、温かくて

救われる気持ちがした。


本当は感じていること、やってみたいこと、強く信じていること。

日々の忙しさの中でうっかりどこかに置き去られたり、

声の大きな人の影で息を潜めてしまったりするけれど、

それらをまず声に出してみることが、自分が行きたい方向へ向かう一歩になる。

だから、小さくてもいい、まずは声に出してみよう。

そして、小さな声を積み重ねていったら、

いつか「叫びたい」ほどに心が動かされる時があったときに、

思いっきり叫んで、「ほんとの世界の真ん中」になれる時が来る。


あくまでも私なりの解釈なのだけれど

そう言われてる気がして、すごく背中を押してもらえた。


思いを口にすることには、ときに勇気がいるけれど、

例え「囁き」だとしても、まずは口にしてみることを大事に、過ごしてみたい。




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