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漫画みたいな毎日。「ボートネックの意味とは。」

夫は、洋服に頓着しない方だ。

大事なのは、清潔であること、着心地が良いこと、動きを妨げないこと、生地が丈夫であること。縫製が良いなら、更に嬉しいだろう。

彼には、シンプルで、きちんとした感じの服が似合うと思う。

Tシャツやカットソーより、ジャケットとシャツ。
シャツの裾は当然、しっかりとボトムスに仕舞う。

そんな夫が、穴の空いたビンテージ・ジーンズとか、ポップな絵柄の洋服を着た彼を想像するのは難しい。

洋服には、色々な種類があるが、中でも、Tシャツを着こなすのは、難易度が高いと思っている。そんなことで、私が外出時にTシャツを着ることは、ほとんど無い。

「痩せたらなんでも似合うんじゃない。」という夫の正論には耳が痛いが、スタンダードなTシャツが似合わない人も、少ないとしても一定数は存在しているのだと思う。

裁断や縫製にもよるのだろうが、自分に、しっくりくるTシャツを探してはいるものの、コレ!というものに未だ出会っていない。


夫の場合、Tシャツは、下着に近い扱いで、上からシャツを着てしまうことがほとんど。どんなデザインでも、外からは見えない。だから、私の好みのTシャツを選んでも着てくれる。


しかし、夫は、Tシャツを着用するときでさえ、ボトムスに仕舞う。
最初は、Tシャツをしっかりとボトムスに仕舞うことに驚いた。

〈TシャツをINするとは、どういったことなのだろうか?!〉

10代、20代とアルバイト代、就職してからのお給料を美味しいものと、好きな洋服に注ぎ込み、〈少女〉というカテゴリーに収まっていた時代は、〈オリーブ少女〉だった私としては、何故?!の嵐だった。

『Olive』(オリーブ)は、日本の女性向けファッション雑誌。平凡出版株式会社(現マガジンハウス)より1982年(昭和57年)に創刊され、2003年8月号をもって休刊した

当初、男性向け雑誌『ポパイ』の増刊号として1981年11月5日号から2冊を発刊。翌1982年6月3日号をもってあらためて創刊号とされた。発売時のキャッチコピーは「Magazine for City Girls」。

「リセエンヌ」(lycéenne 仏:lycéeの女子学生)などのライフスタイルを提示、中高生を含む、ティーン向けの文化をキャッチおよび発信した。

オリーブ少女とは、1982年にマガジンハウス社より創刊された『オリーブ』という雑誌を愛読し、そのスタイルをファッションやライフスタイル、映画や音楽などのアートを含めて積極的に取り入れていた女子のこと。

Wikipediaより


しかし、「Tシャツの裾を中に入れないと、ボトムスが直接肌に当たって気持ち悪い。お腹や背中の汗も吸わないし。」という夫の言い分。

なるほど。

自分であれば、決してINしない。

でも、夫はそうしたいのだから、別にいいか、とあっさりと思った。

夫は、私ではない。

本人の好きにする自由がある。

最近では、トップスをINするコーディネートもたくさん見かける。

もしかして、夫は流行りを先取りしていたのか!?


・・・いや・・・多分違うだろう。

付き合い始めの頃に、私は夫にボートネックの長袖Tシャツをプレゼントしたことがあった。濃い水色とチョコレート色のボーダーだ。

夫は物持ちが良いので、今もそれを着ている。しかし、夫の好みではないのか、その長袖Tシャツは、あまり登場しない。

先日、その長袖Tシャツを着ながら、夫が呟いた。

「あのさ、ボートネックの意味ってなんだろうね?」

ボートネックの意味?

考えたことがなかった。

ボートネックが似合う体型とか、そういったことは考えたことがある。
鎖骨が綺麗に見えるし、比較的、細くて薄い体型の人に似合うだろうと私は思っているが、このような説明があった。

ボートネックは、ボートの底のような横に浅く広がったネックラインのことを指します。 曲線は緩やかで、鎖骨周りをより美しく見せやすいのがメリットです。 他のネックラインと比較すると、体型を選びにくくデコルテを露出しにくいため、上品さをキープしやすく他の服に合わせやすいのも魅力的なポイント。

説明によると、体型を選びにくいとある。

本当に?!

細くも薄くもない私には似合わないが・・・。

そして、鎖骨。

憧れの鎖骨。

私の鎖骨は何処へ。

周囲と一体化している・・・。

ちなみに、夫の鎖骨は綺麗だ。



夫が鍼灸学校に通っていた時、実習でお互いに鍼を打つ際など、上半身裸になり、互いに施術し合うことがある。

ある時、同級生の女性に、「鎖骨萌え〜!」と叫ばれたことがあるらしい。

私は、無意識にも、夫の鎖骨が映える洋服を選んでいたのか?

恐ろしい、鎖骨萌え。

今度、夫に、「ボートネックの意味とは?」と問われたら、

「より綺麗に見える鎖骨を、私が、眺めるため。」と答えよう。

しかし、そんな答えを聞いても、

「・・・首がスースーして落ち着かないんだよね。」

そう言って、彼は、躊躇することなく、首に浴用タオルを纏うのだろう。





学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!