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学校に行かないという選択。「トラブルや、失敗が、何かを確実に育んでくれている。」

今日は、長男のトランペットのレッスン日でした。長男は今日も、朝から算数に取り組んでいました。分数の掛け算や割り算を、うなりながら、私に色々聞きながら、私も、う~んと、頭を捻りながらの時間でした。

「そろそろ出ないと、バスに間に合わないよ。」と声は掛けていましたが、算数のキリが悪く切り上げられずにいました。

私たちの住んでいる場所は、バスの本数が見直され、通勤・通学時間帯は、1時間に2~3便運行されているのですが、日中は、1時間1便ということも少なくありません。

我が家では、車は、夫が仕事で使っているので、出かける用事がある場合は、歩いたり、バスを利用します。長男のトランペットのレッスンの日も、必ずバスを利用することになっています。レッスンに間に合うように行くには、いつも乗る時刻のバスを逃してしまうと、次のバスは40分後になるのです。


長男が、算数を切り上げ、玄関を出た時には、既に、バスの時刻でした。バス停までは、走れば1分といったところですが、今日のお天気は雨。傘をさし、しかも、トランペットを持って走るには、厳しい状況です。

余程、バスが何かの理由で遅延してない限り、間に合わないだろうと予測しつつ、黙って送り出しました。

彼が〈バスに間に合わなかった〉と、戻ってきたら、タクシーを呼ぶしかないかなぁ、とタクシー会社の電話番号を調べていました。

数分後、長男は、「間に合わなかった~。」と戻ってきました。

「タクシーで行くしかないから、遅れるって先生に電話するから。」とトランペットの先生に連絡をすることにしました。

「実は、バスに乗り遅れてしまったので、少しレッスンに遅れてしまうかもしれませんが、うかがいますので、よろしくお願いします。」と伝えると、

先生は、「今、家を出た所なので、迎えにいきましょうか?」とおっしゃってくださったのです。「五分くらいで着くので。」と。

ええええええええぇ・・・・ありがたいけれど、申し訳無さすぎる・・・。と思ったのですが、結局、先生のご厚意に甘えさせていただくことにしました。

「大きな道路まで出ておきますね。」とお伝えすると、「雨だから、家の前まで行きますから、大丈夫ですよ。」と。

重ね重ね、有り難すぎる・・・・。

以前にも、先生には、バスでお金を落とした長男が、車庫の遺失物預かり所へ行く先に付き添ってくださったことがありました。その時も、とても自然な形で長男に寄り添ってくださり、とてもありがたかったのです。

その時の出来事は、こちらのnoteに書いています。

今回も、先生は、何事もなかった様に、長男を迎えに来てくださり、レッスンに向かってくださいました。

ありがたい、以外に言葉が見つからないのですが、先生のいつもフラットな様子に、私は先生の育った環境、バックボーンを想像するのです。いつか、先生がどんな風に育ってきたのか、お話を聞いてみたいなと思っています。

「ただいま!」とご機嫌に帰宅した長男。時計を見ると、バスで帰宅した場合の時刻よりも早いではありませんか。あれ?と思い「早かったね?」と言うと、「実はさ、先生が送ってくれたんだよ。次のレッスンまで暇だし、雨がすごいから。って。5回くらい、断ったんだけど・・・。」

あれまあ!

先生は、恐らく、私に気を使わせないようにと、長男を車から降ろし、そのままレッスンに戻られたので、ご挨拶もできませんでした。そんなさりげない配慮にも、いつも感謝するばかりです。

私が、「タクシーをいつでも呼べるように、調べておかないとなぁ。」とつぶやいたら、長男が、物凄く怪訝そうに、「え?それって、バスに自分が乗り遅れる前提なの?」と言うので、「だって、また乗り遅れることもあるかもしれないじゃない?だから、念の為ね。」と返すと、「今度から、もっと早く家をでるから、それはない。必要ないよ。」と断言するのです。

先生には、沢山のご迷惑をおかけした今回の出来事でしたが、長男にとっては、「バスに乗り遅れることで、どういうことが起きるのか」「それによって、周囲の人にどういうことが起きるのか」を実感できた、貴重な体験だったと思います。

困ったり、失敗したり、トラブルが起きても、誰かが助けてくれるという経験は、どうにかなるという経験は、「社会は、人は、自分にとって、信頼できるものである」という、彼が育っていく上で、「目には見えない大きな支え」となっていくのだろうと思います。

親としては、失敗やトラブルを快くフォローしてくださる周りの方々に、感謝するばかりです。本当にありがとうございます。

ついつい、失敗しないように、と考えるのが親であったりもするのですが、失敗した後のフォローをする、それが親のできることなのだな、と子どもたちが巻き起こす様々な出来事を体感する度に思うのです。

こどもたちが、多くの方々に助けられながら成長していく社会。

「失敗したり、上手く行かずに困ることがあっても、大丈夫。必ず、誰かがあなたたちを、助けてくれるから。」

そんなメッセージを受け取ることができる社会であることをいつも願っています。

さ、今日も私は、私にできることをしていこう。

学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!