みさお

メモ

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『断絶』

『断絶』 何かが始まって、そんですぐ終わるような生活にはとうに嫌気がさしていた。 自分の感情を雑に上げたり下げたりすることは、とてもじゃないが良いこととは思えなかった。 擦り切れてバチバチ音を立てる僕の心臓は休息を求めていた。 だから、期限を決めて家に引きこもることにした。一週間経ったら外に出る。それまではただ部屋にいよう。 やることはそれだけ。 初めの日、僕は一日中歌をうたった。ステレオからミュージック、それに合わせて低い声でうたった。でもなんでか何も変わらなかった。僕の

      • I Wanna Be Your Lover

        君の好きな人になりたい アイワナビーユアラバ ワナビー

        • 高木

          高木は心が弱すぎる。 自分というものが無さすぎる。 自分から相手に対して何か思うことはなかったが、人が自分に対して好意的だったらすぐ好きになってしまうし、人が自分に対して無関心であったり少しでも敵意を向けていたりするとすぐに嫌いになってしまう。 だからいつも簡単に傷つく。 すぐ好きになるから、すぐ勝手に裏切られたと思って傷つく。そんですぐ嫌いになるからすぐ相手を傷つけて、それを後悔してやっぱり傷つく。 結局、高木は自分勝手すぎる。 何でもしょうがないからといって諦められない。

        『断絶』

          裏庭の死んだ人 4

          浮浪者(?)が僕の前で奇妙な動きをする。それを真似て僕も奇妙な動きをした。体のどこも伸びている感じがしない、とても気分の悪い体操だ。しばらくそうしているうちに浮浪者(?)がその奇妙な動きをやめた。 「終わりですか?」 そう聞くと 「終わりじゃない。」 と怒りっぽく浮浪者(?)は答えた。 「私は毎日この体操を少しずつ進めている。今日のも私の続けている長い体操の一部にすぎない。」 そう浮浪者(?)が言った。 「この体操はいつ終わるんですか?」 恐る恐る僕は聞いてみた。 すると浮

          裏庭の死んだ人 4

          金山に成人式行ったか問い詰める外薗

          顔がまじですね。

          金山に成人式行ったか問い詰める外薗

          最初のネタ見せでやろうとしたけど、永野さんのお母さんに「面白くない」と言われボツになったネタ

          コント「葡萄酒」 〜心の声〜 15年前、俺は妻を殺した。本当に些細な喧嘩だった。カッとなった俺が仲直りのしるしと偽って葡萄酒に毒を入れ、それを妻に差し出した。彼女はそれを美味しそうに飲み、そして死んでしまった。俺はその罪悪感から、未だに、、、、未だにぶどう狩りに行けない。 先輩!今度パートの女の子たちとぶどう狩り行くんすけど行きますよね? ダメだあ! え? 1番だめ。絶対にダメだ!オレはいかん。 えーそうすか。まりこちゃんも来るのに、 なにィ? 〜心の声〜 まりこちゃん

          最初のネタ見せでやろうとしたけど、永野さんのお母さんに「面白くない」と言われボツになったネタ

          裏庭の死んだ人 3

          何か嫌なことがあった日は、必ず大学近くの公園に行くことにしている。公園の真ん中には大きな池があり、対岸見つめてぼーっとしながら、16年前にこの公園でバラバラにされた人間について考えるのが僕の一つの習慣になっていた。幼い頃母親が僕に 「あなたは大丈夫よ。何が起きてもきっと大丈夫。」 と言っていたので、おそらく僕は死なないのだろうけど、もし死ぬとしてもバラバラにされる死に方だけは勘弁だ。痛そうだし。 浮浪者(?)と話したあと、家にも大学にもいれなくなった僕は公園に向かった。彼

          裏庭の死んだ人 3

          裏庭の死んだ人 2

          翌朝、僕は誰かの声で目が覚めた。 「映画見に行ってくるから鍵閉めて出かけてね。」 それは3年ぶりに聞いた母親の声だった。 寝起きは良いので完全に目は覚めていたが、寝ぼけたフリで適当に返事を返した。 「ごゆっくり。」 映画なんてゆっくりしようと思っても急ごうと思っても結局2時間かかるものだからこの返事はおかしいが、母親は特に何もを言うことなくさーっと家を出ていった。しばらくして僕もササーっと準備して大学へ向かった。 その日は授業が三限からだったので、12時過ぎに大学に着いた

          裏庭の死んだ人 2

          裏庭の死んだ人 1

          嫌な空気がリビングに立ち込めているのが玄関から分かった。いつもは家にいないはずの家族が、総出で不機嫌になっている。理由が気にならないわけではないが、バイトで疲れていたしどうせ関係ないことだろうと、無視して自分の部屋に直行した。 僕は部屋に入るや否やベッドに飛び込み、横になって家族のことを考え始めた。僕には兄と妹が1人づつと両親がいる。いつも家にいないと言うのは、年の離れた兄は僕が中学に入るタイミングで家を出ていて、母親は半年ほど前から祖母の看病をするために実家に帰っていた

          裏庭の死んだ人 1