若林正恭「ナナメの夕暮れ」
「めんどくさい人」と言われても「考え過ぎ」と何度言われても、
この国を、
この社会を、
この自分を、
解体して解明しなければ一生自分の心に蓋をしたまま生きることになる。
(「ナナメの夕暮れ」まえがきから)
この前書きに込められた、覚悟とも明確な意志の表明とも読めるこの強い”何か”からこの本は始まる。たかだか「芸人のエッセイ本」だが、されど「芸人のエッセイ本」とはまさにこのことで、現代日本社会で誰が決めたわけでもない「空気」的なルールに誰しもそれぞれなりに悩みを抱えていたり、苦しみを抱いていたりする。この本はそうした人々にとっての”希望”でもあり、「この変わりゆく社会の中で己が如何ようにしていくのか?」という大きな問いが投げられているように思う。とは言え、内容はフォーマルすぎないし寧ろ笑って読める部分も多いので字を読んで笑いたい時にはもってこいだ。読んだ後、頭には問いは浮かぶだろうか。それとも、上質な笑いの時間だったか。ぜひ読んで体感してほしい。
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日曜日の読書
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