見出し画像

ネロとのお別れ

3月23日
ネロ、起きあがろうとして自力で立てない。ずっと寝ている。
触ると体温が低い。体温が下がらないようにヒーターの近くにネロを寝かせている。
体が嘘みたいに痩せてる。

朝 ミルクを少しとお水を少し飲み込む。おしっこ漏らす。
摂ってる水分が少ないからオシッコ少量。

昼 寝てるけど起こして抱き抱えながらミルクとお水を注射器で口に入れる。
その時は目を覚ます。自力で飲み込む。体温が少し高くなった。
まだ代謝できてるのかな?
昼間、私の仕事中は暖かくした部屋に寝かせておく。

夜 寝てるけど抱き抱えて起こして口にミルクとお水を注入。「ゴックン」と呑める。
体があたたかくなった気がする。気のせい?
ヒーターの熱が暑く感じるらしく、自分で体を熱から避けるように動かして場所を移動した。
このままミルクとお水で栄養を補って寝てる間に、もしかしたら、実は回復するんじゃないか?と期待してしまう。

たくさん声をかけて、たくさん体を撫でてあげる。
「この山場を超えられたら、週明けお医者さんに行って、先生を驚かしちゃおうね」と話しかける。

3月24日
朝イチ、生存確認。まだ息をしている。でも胸の動きも弱々しく触ってやっと感じ取れる。起きあがろうとしても立ち上がる力がない。排泄ナシ。

朝 ミルクと水を呑ませようとするとイヤイヤと前足で抵抗する。目が半開き。でも少しずつ飲み込んだ。
肉球を触ると脚がピクッと反応してるけど、これはくすぐったいんじゃなくて脊髄反射かな。

昼 ミルクと水分を飲ませると腸がコロコロ動いてる音がする。後ろ足の脈がまだ触れる。体の中は動いてるけど意識が朦朧としてるみたい。このまま、昏睡状態になってしまうのかな…

夜 ミルクはよして水だけ飲ませる。反射的に口と手を動かす。
ネロ見えてるかい?
湯たんぽを当ててタオルにくるんで寝かせる。

3月25日
夜中に、もう1匹の猫が大声で鳴く。その声に私も飛び起きてネロを触る。
時計を見ると2時半。

まだ息をしてる。なんだか虫の知らせがして、タオルに包んだままネロを寝床から抱いて一緒にフトンに入れて寝る。体温が低くなってる。体が冷たい…

ウトウトしながら起きてはネロに触って生きてるか確かめる。まだ柔らかい。
窓の外から雨音が聞こえる。

何度かウトウトしながらネロを触って生存確認を繰り返しているうちに、一瞬だけスウっと寝込んでしまった。
アッと思ってネロの足を触ると、まだ人肌には温かいけど体が硬い。
「しまった」と息を呑む。
時計を見る。朝8時。

私が胸にすっぽり抱き抱えていたはずなのに、いつの間にか腕枕してるように腕に頭を乗せて、片っ方の前足を腕に掛ける姿で横向きに固まっていた。

そっか、最後の力を使って、最期にそっと前足をおいて逝ってくれたんだね。

ネロは優しい子。ネロ、ありがとうね。

抱きしめようとして、前足をチョコンと出したままの体がまだほんの少し温かくて、
「あゝ亡き骸になってしまった」と遺体を抱きしめて泣く。

苦しんだ様子もなく私の腕の中で穏やかに旅立っていきました。


ネロへ

ネロ、神さまが私の祈りに耳を傾けてくれて、願いを聞き入れて応えてくれたね。
最期に一緒にいてあげられました。
静かに虹の橋を渡って天国に行ってしまったんだね。
きっとそこにはネロの好きな猫草が生えていて、風通しが良くて気持ちが良い半日陰がある場所だね。
のんびり伸び伸びしててね。


必ずいつかまた天国で会えるから。
私が今よりおばあちゃんになってても忘れないでね。

たくさんの愛をありがとうね。

この記事が参加している募集

ペットとの暮らし

猫のいるしあわせ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?