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まるで物語のような世界

8月14日、微熱さんのブックカフェが終わって2日経つのに

まだ微熱ブラックで興奮してしてんのかな?
豆千さんのノンアルコールビールでまだ酔ってんのかな?

ってくらいまだフワフワ夢見心地です。


私も今回、古本屋さんとしてブースを設けて頂きました。

「本を売ってない書店」って面白いなってところから参加してみたくなったのですが、ブックカフェも、古本屋さんも初めての参加でしたし、参加されるみなさんとも初めて行き合う方々が多いので、とっても緊張しました。

本のジャンルはどうしたらいいのかな?
私の好きばっかりでいいのかな?

といろいろ考えてみたけど当日の予想が全くできないから、とりあえず、本棚からエイっと一掴み持ってくことにしました。

自分の本棚にある本を並べて良いよって言われて、実際にやってみると、まあ難しいものです。やってみて良くわかりました。

初めての古本屋さんだし、自信ないし、部屋の目立たないところに私の本を並べさせてくださいって気持ちでした。

なのに、なぜ?
目立つ位置に本を並べる展開になりました。

用意して持って行った本やコマコマしたものを出していく段階で、手がプルプルして、喉はカラカラするし、こめかみの拍動がドックンドックンしてくるし、ナーバスになりすぎて泣き出しそうな気分でした。

でも、始まっちゃったものはしょうがない。

ここは自分の好みやセレクトではなく、誰かの大好きが並んでる古本屋さん。

そこにいるんだ。私の趣味がどーこーじゃなく、みんなを信じてやるしかない。

📕

最初数人いた会場には、だんだんと人が集まってきて、何となくフワフワ漂っていた雰囲気が気がついたら、いつの間にか何となく人の居場所や交流が生まれていました。

「あ、物語が始まったんだ」ってその時思いました。

「登場人物が動き始める瞬間がある。」とよく、小説の後書きに作者が書いてあるのを読むけど、まるで物語の登場人物の1人として自分が召命された感覚がしました。

店長の微熱さん。不思議な求心力を持つ方です。
微熱さんが「ブックカフェをするよー」って、合図をきっかけに今回の物語が始ったんだね。



参加したかったけどこの場に来れなかった方も、本やコーヒーやエールを微熱さんに送ることで物語に参加してるなって感じました。

参加された方に中には「なんでここに集まってるのか、自分でもよくわかんない」って方もいて、その言葉の意味、私もよく分かりました。いろんな偶然性が重なって参加できたんですよね。

📗

何かが触媒となって、ちょっとしたきっかけがダイナミックな化学反応を引き起こすような。

1人でいると変わらない/変われないことが、微熱さんに会うと自分が意図しない外部性が与えられて変化していく。

それを私は微熱マジックと呼んでます。

微熱マジックに出会えたんだと思ってます。



初めましてなのに、まるで筋書きがあったかのような違和感のない世界。
いろいろ繋がって広がっていく世界がありました。

誰もが自分がどんな役割か、立ち位置かは告げらていない中で、そこにある本や美味しい食事や、飲み物、音楽。人との出会いを、ただ自由に楽しむことで変化が起こっていく。


私たちは誰かに自分の好きなことを話してもいいし、会話に入っても良いし、その会話をひっそりと座って耳を傾けて聞いていても良い。

写真を撮ったり創作していても良い。

その場にいることも、入れ替わることも、誰かと交わることも、交わらないことも許されてる。

自分から自由に好きなことしていていいし、自分の好きな感じで振る舞ってることが物語を広げていく。

私が見たかったものが今、目の前に、ここにある。

ある意味限定された空間の中で、大人も子どもも、年齢も生きてきた歴史も違うけど、いつのまにか馴染んでいく様は、この日、この時間、場所で物語が生まれて躍動していく場面にいられて感動でした。


いつまででもずっとこの場の雰囲気を味わっていたいなって思いました。

📚

でも、物語には終わりがあるものなのです。
ミヒャエル・エンデさんが[はてしない物語]で書いていた言葉を思い出しました。

無限に広がっていくかと思った物語の時間も、終わりが来ました。

📖

それぞれお帰りの時間がきて、ひとり、またひとりと去っていく方のお見送りします。

終わりの時間が近づくと、残った人たちで片付けが始まり、やがて会場の照明が消え、出入り口が閉められて、鍵がロックされました。


物語の世界は、これでおしまい。


夏休みが終わったようだね。
体育祭や文化祭が終わったみたいだ。

その場にいる人たちと、そんな感想を言い合いました。

楽しかったことが終わっちゃうと、しんみりさみしくなるものですが、物語の世界に入って思う存分遊んで楽しんだ後は、心身共に疲れは感じるものの、心地良い疲れでした。


📙

私の本をパラパラ手に取って下さった方。お持ち帰りして下さった方。
みなさん感謝です。私がお迎えした本たちも、これから大事に読みます。

微熱さんのブックカフェの物語は終わっても、新しく手元に来た本たちと一緒に私の人生の物語が紡ぎ出されていくなぁって感じています。

📘


初めましての本、いろんなものや出来事、街や人との出会いがゆるりと結ばれるイメージはエトさんのイラストがピッタリと思って使わせてもらいました。

長文になりました。読んでくださってありがとうございます。

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