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サッカークラブの一貫性を考える

サッカークラブは
自分たちの変わらない事柄を起点に
自分たちがどうあるべきか、アイデンティティを明確に設定するべきだ。


そしてそれは、状況に左右されず一貫して貫いていくことで、
クラブの色が濃くなっていきます。

これはサッカークラブに限らず、すべての組織に共通することかもしれません。


アイデンティティを定義する

例えば、日本サッカー協会は
サッカー日本代表をこのように定義しています。

日本代表アイデンティティ
キーワード:
誇り・責任・礼節・団結・覚悟
ステイトメント:
日本代表、それは夢の舞台で躍動する集団
日本の代表として戦う誇りを心に刻み
勝利を目指してひとつに団結する
すべての関わりに対して感謝し
日本中の応援を力に変えて、世界に挑み続ける

日本代表が大切にすべき共通の価値観「日本代表アイデンティティ」を策定
2018年12月11日


日本の選抜チームであることや日本人の国民性、
これまでの歴史などを起点に
アイデンティティを策定していることを伺い知ることができます。

サッカークラブであれば、
・ホームタウンの土地柄(風習、気候、地形、住民の年齢層や比率、経済状況など)
・クラブの成り立ち(企業チーム、街クラブ、OBチーム、少年団、合併チームなど)
・創設者の想い
などを起点に
自分たちがどのようなクラブで、何を大切にしたいのかを
明確に示す必要があります。

そしてクラブのアイデンティティを
選手、コーチ、スタッフ、保護者やサポーター、スポンサーなど、
クラブを取り巻く全てのステークホルダーが理解し実践している状況が望ましい。

ピッチ内のプレーモデルはもちろんのことながら、
プレー以外での選手・スタッフの立ち振る舞いや言動、
スポンサーアクティベーション(企画)の中身や
SNSでのクリエイティブに至るまで、
クラブのアイデンティティが滲み出るほどに浸透させることが重要です。

保護者やサポーター、スポンサー等のステークホルダーが
その貫いているクラブのアイデンティティを
深く理解して、貫く姿を応援してくれるような状況が望ましいと考えています。


いわきFCから感じたクラブの色

何故、クラブのアイデンティティを明確に示し、
ステークホルダーに深く理解してもらう必要があるのか。

いわきFCの実践がその解答のように思います。

いわきFCは「PHILOSOPHY」という言葉で
自らの行動基準、ストラテジー(戦略)、ミッション、ビジョンを設定し示しています。

詳しくは下記のページをご覧ください。

地域の歴史や自分たちの成り立ち、創設者(オーナー)の想いを起点になっていることが伺い知れます。

ここまでJクラブをはじめ、サッカーに限らず様々な組織で創りこまれている部分かと思いますが、
いわきFCは
言葉だけで終わらせずに、一貫して徹底して実践しているように感じます。

強化戦略や実際のピッチでの事象もさることながら、
YouTubeで配信されている試合の様子の映像での選手やスタッフの言葉、立ち振る舞いからも
根底に「PHILOSOPHY」を感じ取ることができます。

先日、観戦した東京23FCvsいわきFCのテストマッチは
まさに答え合わせで、
w-upから最後のあいさつに至るまで
無意識であってもクラブのアイデンティティが徹底されていて
いわきFCの色を感じることができました。

スタンドをいっぱいに埋めた、
いわきFCのサポーターが
このクラブを応援したくなる意味が分かった気がします。


現実と理想のせめぎあい

12月から1月にかけて、
Jクラブが新監督や新しいビジョンを発表する記者会見や新体制発表会などを
開催しており、映像や文言で目にすることがあります。
そのなかには、自分が生まれる前から存在していたであろうクラブでさえ、
2023年に改めてアイデンティティを設定し示しているクラブもあります。

もちろんこれまでもそういったクラブ創りの根底となる考え方は存在していたのでしょうが、
人が入れ替わったり、結果が出ないことでブレてしまい、
迷走してしまっているように感じます。

クラブの設定しているアイデンティティと
異なることをステークホルダーから求められると
ブレてしまうことも分からなくもありません。

一例ですが、
資金力に乏しいクラブに
規模に見合わないピッチ内の結果が求められることがありますが
それは奇跡のストーリーが起こらない限りその先には不幸しかありません。

だからこそ、
サッカークラブは自らのアイデンティティを明確に一貫して示し
クラブ内部はもちろんのことながら
ステークホルダーにまで深く理解を浸透させたなかで
身の丈に合ったクラブ運営をしていかなくてはなりません。

組織が大きくなればなるほど、難しい作業ですが
組織のトップにはこのことを実践できる強烈なリーダーシップが必要だと考えています。

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