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野心溢れる若きSC相模原の「勢い」【SC相模原vs福島ユナイテッドFC観戦記】

3月12日(日)。
この日はJ3第2節、SC相模原と福島ユナイテッドFCのゲームを観戦に行きました。

キックオフ時間は15時。
午前中までSC相模原のホームスタジアムである「相模原ギオンスタジアム」に向かう気でいましたが、
よくよく確認してみると会場は「ニッパツ三ツ沢球技場」

ラグビーの関係?で三ツ沢開催だったそうですが、自分としては自宅から最短距離のスタジアムでの開催は非常にありがたかった。

気になる戸田和幸監督

福島ユナイテッドFCは東京23FCの強化を担当していた時に練習見学させて頂いたクラブの一つ。
チームのスタイルや選手の特徴もある程度は把握していましたが、新加入選手がさらに違いを生み出していた印象。

対するSC相模原は今シーズンから体制を一新し、クラブ全体として共通認識を持ちながら長期スパンでの変革をスタートしている。そんな状況である。

新監督は戸田和幸さん。
言わずと知れた理論派の名解説。昨シーズンはSHIBUYA CITY FCで指揮を執っていました。
そして高校の大先輩です。

今シーズン、4名の大先輩がJリーグの舞台で闘っています。

そんな勝手なご縁もあり、1月の公開練習を見学させて頂いた。
始動直後ということもあってか、
個人の成長や技術獲得に関するコーチングやアドバイスが多いように感じた。
何より、各セッションの繋がりを感じるトレーニング設計であったと記憶している。

そうなれば実際の公式戦を指揮する姿を観たくなるのが性。
ベンチ裏に陣取り、観戦させてもらいました。

ベンチからの指示を聞こえる距離感。盗み聞きではない。
試合前w-upを間近で見学できるイベント。この距離での体験は絶対思い出になるはず!

老獪に振る舞う福島ユナイテッド


スポーツナビマッチレポートより。福島の40樋口と20城定は逆でしたかね?


基本的には相模原の守備はハイプレス。攻撃は後方から丁寧にボール保持しながらの前進のスタイル。
福島のWBに対して相模原のSBがプレス。福島はそのSBの背後、CBの横のスペースを長いボールも交えながら活用しペースを掴む。

ボランチの13宮崎智彦やRWBの50古林将太といったベテラン選手が
ボール付近でのポジショニングや
ボール保持時のシンプルな判断で
相模原のプレスを回避していく瞬間作っているなと感じる。

守っては3バックのセンターに入る44大武峻
GK22山本海人は無難なプレーで福島のゴール前の守備は安定感がある。

後半に入り、
左のセンターバックに入る28鈴直樹の攻撃参加の機会が増え、
ボールサイドでのサポートに厚みが加わった。


どちらかというと、
福島が先制するかなというような雰囲気のなかゲームは
後半20分頃まで推移する。

野心溢れる若き相模原の選手たちの勢い

相模原は
FW18松澤彰のポストプレーに
3人目で11デュークカルロスが加わる形での
センターサークル付近からアタッキングサードでの進入は迫力がある。

センターサークル付近に至るまでの前進では
効果的なポジショニングとテンポ感で福島のプレッシャーを丁寧に回避し
運び出しに成功する場面も複数回見られた。

後半27分の7金城ジャスティン俊樹と14安藤翼の2人投入後に
右サイドからの攻撃を中心に勢いづく相模原。

そして後半29分に13吉武莉央のゴラッソ。

畳みかけるようにその後もチャンスを創り
後半44分には
9藤沼拓夢のヘディングで突き放す。

福島はパワープレーに切り替え、反撃に。
相模原はバランスを崩しアディショナルタイムに41上畑佑平士にゴールを許すところまでが若い勢い。

そこまで含めて、「相模原の勢い」は応援したくなる何かを感じさせる。


SPORTERIAより引用


細かなミスや課題なのだろうなというシーンに出くわすことはありましたが、
そんなことよりも記事に残したいことは
相模原の野心溢れる選手たちの姿だ。

「アマチュアリーグ」の可能性

相模原の
センターバック、2加藤大育
前半はベンチに近いサイドでのプレーであったことからか
戸田監督から頻繁に指示が飛んでいた。
配球は無難なプレーが多く、直接的に味方に時間を与えるようなプレーは多くはなかったが、守備においては福島の25長野星輝と40樋口寛規というクオリティのある前線に果敢に対応して見せた。

センターフォワードの18松澤彰
長身を生かしたポストプレイヤーだが、
繊細なタッチやフリックでトップ下の22佐相壱明や11デュークカルロスと関係性を作り相手の脅威となる。献身的な守備はチームの守備スイッチの役割にもなる。開幕戦ではゴールも奪っており、レヴァンドフスキを感じさせるほどのポテンシャル。

途中出場でボランチに入った7金城ジャスティン俊樹
DFラインから積極的にボールを引き出す。彼と14安藤翼の2人交代後、一気にゲームは動き出した。得点後もボールに関与に中盤に安定感を与えた。

そして何より13吉武莉央
163㎝のボランチは終始ボールに関わる姿勢を見せ、
後半は攻撃参加のためか縦への運動量も増えたように感じた。
そして先制点のゴラッソ!

守備スタッツも悪くないのではないでしょうか。

SPORTERIAより引用

センターバック、2加藤大育
センターフォワードの18松澤彰
途中出場でボランチに入った7金城ジャスティン俊樹
先制ゴラッソ13吉武莉央

紹介した4選手。
昨シーズンはJFLまたは地域リーグでプレーしていた選手です。

加藤はブリオベッカ浦安(関東1部→22シーズンにJFL昇格)
松澤は東京武蔵野ユナイテッドFC
金城はVONDS市原FC(関東1部)
吉武はFC延岡AGATA(九州リーグ)

Jリーグからの移籍、高校や大学からの新入団ではなく
言わばアマチュアリーグからのステップアップの選手たち。

限られた予算の中で、的確な補強をしたクラブはもとより、
Jリーグの舞台でプレーすることを目指しステップアップを実現し、
チーム内の競争に勝ち、
試合にも勝つという選手たちは素晴らしいし
JFLや地域リーグの新たな存在価値を示してくれています。

松澤と金城は2021シーズンまでJリーグでプレーした選手。
それぞれ契約満了後に武蔵野とVONDSに移籍。
そこからJリーグに返り咲いた。

加藤と吉武は大卒で地域リーグに入団。
加藤は2年間、吉武は3年間を地域リーグで過ごした。

これまで地域リーグからJリーグにステップアップできる選手は稀で、
なおかつ大卒1年目の選手に限られたイメージがある。

しかしながらここ数シーズンは、特に今シーズンは地域リーグやJFLからJリーグにステップアップする選手が増えた印象です。

実際の数字もまとめて整理しながら、
その要因はまた別の記事に書きたいと思います!

カテゴリーやレベル問わず、すべての試合に学びがある。

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