各領域のスペシャリストの協業で、クライアントの期待を超えるデジタル・クリエイティブスタジオ
Sun*には、B(ビジネス)T(テクノロジー)C(クリエイティブ)各領域のプロフェッショナルが所属しており、クライアントのサービス・プロダクト開発の工程を包括支援しています。
本記事では、B-T-C連携の良事例として社内からも注目を集めているプロジェクトのメンバーである4名に、プロジェクト内での連携や、Sun*だからこそ発揮できる価値などをお聞きします。
事業性、実現性、有用性の三軸の確立をB-T-Cの連携で強固に
——今回お話いただくプロジェクトについて教えてください。
加藤(彰):まず今回のプロジェクトのクライアントは、日本能率協会マネジメントセンターです。「学びのデザイン」「時間(とき)デザイン」の2大事業を柱とする成長伴走カンパニーです。今年「2030ビジョン」を策定され、一人ひとりの「自分らしさ」の実現を支援する会社としてさらなる飛躍を目指されていく中、これまで主に事業展開されていたBtoB市場だけでなく、“成長ポテンシャルのあるBtoC市場で、新しいビジネスを確立したい”、とBTC三位一体となった新規事業やサービス開発の支援に強みを持つSun*を選んでいただきました。
プロジェクト当初のご依頼は「市場調査〜サービスコンセプト策定〜ロードマップ策定」でしたが、伴走をしていく中で、先方より信頼をえることができ、「サービスのUXデザイン〜PoCの検証〜サービスデザインの具体化〜プロダクト開発」まで支援をさせていただき、現在はグロース支援を行っております。
——それぞれのプロジェクト内での役割を教えてください。
加藤(彰):プロジェクト全体のマネジメントとビジネス領域全般の設計や推進を担っていました。全体PMとして、ビジネス - テック - クリエイティブのメンバーが連携しながら進められるスケジュールを策定し、3者のメンバーがなるべく同じ情報を得ながら、各自のスペシャリティを活かし業務を推進できるサポートや環境づくりを行っていました。
笹邊:開発側のPMとしてプロダクト開発をする要件定義フェーズでジョインしました。ビジネスとクリエイティブメンバーが考えたものを、どのようにプロダクトに実装していくか要件定義を行い、ベトナムで働く開発メンバーへの連携、開発プロジェクト全体のマネジメントを行っていました。
加藤(聖):UI/UXデザイナーの役割として、サービスコンセプト策定後のUXデザインフェーズからこのプロジェクトに参画しました。ユーザー理解を深めるためのカスタマージャーニーやユーザーストーリーマップの作成、PoCで検証するためのコンテンツづくり、コンテンツ方針の策定、その後のプロダクト全体のUI/UXを担いました。
岡沢:私はPoCフェーズからビジネスデザイナーとして参画しました。PoCに協力してくれたユーザーへのアンケート・インタビューの設計〜実行、プロダクトのターゲットやポジショニングの整理、具体的なコンセプト、クライアントの経営層向けの資料の作成などを担いました。
——プロダクト開発を進める中で、B-T-Cが連携する価値が発揮されていたと感じられた部分はありましたか?
加藤(彰): PoCの検証でのコンテンツづくりやプロダクトのコンセプトを考えた時です。クリエイティブメンバーの加藤(聖)さんだけが担当するのでなく、ビジネスデザイナーでありながら、UXに理解が深く、ユーザーリサーチの経験豊富な岡沢さんも一緒に担当し、密に連携しながら進めたことで、ユーザーに支持されるコンテンツづくりの方向性と目指すべきサービスのポジションニング、そしてサービスコンセプトをスムーズにうまく固めることができたと思います。
また、カスタマージャーニーやユーザーストーリーマップ、PoCでのコンテンツづくりにおいて、加藤(聖)さんのおかげで、高いクオリティのアウトプットが実現できました。言葉だけではどうしても伝えきることができない部分を、クリエイティブのメンバーによるアウトプットがあることで、イメージを具体的に伝えることができ、クライアントやユーザーからのリアクションが非常に得られやすくなったと感じました。
岡沢:おっしゃる通り、「お客様がそれを使って満足いくものか確認していただくためにまずは仮で作ってみよう」となっても、クリエイティブのメンバーがいないと作ることはできません。前職では、似たような商品画像を参照したり、自分でイラストを描いたりして対応していましたが、Sun*には、クリエイティブに強いメンバーがいるので、依頼することができます。今回のPoCでは、クリエイティブメンバーである加藤(聖)さんのつくったコンテンツのおかげで、ユーザーへのインタビューやアンケートで具体的なコメントをもらうことができ、説得力のあるPoCの結果が得られたと思います。
加藤(聖):笹邊さんがジョインした段階では、まだクライアント側のやりたいことの輪郭が掴めていない状態でした。開発側のPMは、実現性を最優先に具現化する役割だと思うのですが、そういう部分できちんと要件を詰めてくださったおかげで、クライアントとしても、Sun*のメンバーとしても、自分達が目指しているもののリアリティが高まりました。ミーティングでも誰より現実的なお話をしてくださっていて、ありがたかったですね。
笹邊:私は開発者としてキャリアをスタートさせているので、どうしても“できる/できない”の判断基準でプロダクトを設計してしまいがちなんですね。結果、ユーザーに支持されない機能の開発につながるケースも過去には見てきました。
しかし、チーム内にビジネス側の人間とデザイナー側の人間が混在していることで、違った視点を持ってプロダクトを見ることができました。ビジネス・クリエイティブメンバーは、“ユーザーにとって本当に価値あるものか/使いやすいか”を徹底して追求していました。自分にない視点を与えられて刺激になりました。結果、より要件定義よりもユーザーの意向に沿ったものとなり、プロダクトの価値も向上したと感じます。
デジタル・クリエイティブスタジオでは領域を越境した活躍が可能に
——加藤(聖)さんは今までUIがメインでやられてきたと思いますが、今回のプロジェクトではUXも担ったとお伺いしました。いかがだったでしょうか?
加藤(聖):本プロジェクトでは、クライアントのビジョンを反映したコンテンツをアイディアを出しながら一緒に 作りあげていくという、私自身がこれまで手掛けてきた領域を超えた動きができました。これまでのプロジェクトでは、すでに確定した条件からUIを作成することが自分の領域だったんです。
今回はそれに加え、“クライアントがユーザーに提供したいもの”を言語化し、“クライアントが現実的に提供できるもの”を協議し、PoCコンテンツとしてサンプルを作り、PoCを通じて“ユーザーがほしいもの”を調整する、という過程も担当しました。
クライアントとエンドユーザーの双方向からの要望を加味した、コンテンツを作り上げることは新しい体験であり、成長したと感じるポイントでした。
——今までの会社とは違ったSun*という土壌の特異点はありましたか?
岡沢:前職の会社では、デザインを外注していたんです。なので、チームにデザイナーやエンジニアがいる環境で仕事をするのは初めての経験でした。自分ができない領域の仕事を間近で見れたのは新鮮でしたし、なによりプロジェクトの進むスピードが速いのが嬉しかったですね。外注だと、依頼したものがその日のうちに手元に戻ってくることは有り得ません。また、依頼も目的を明確にして、幅を出すために3パターンの指示を出して…と準備に時間がかかります。デザイナーが隣にいて、相談しつつ一緒に画面を見ながら希望の形へ進めていくのは、Sun*がB-T-Cの包括支援をしている故の強みだと感じました。
笹邊:前職で担当していたプロジェクトでは、仕様などが詳細に決まっている状態から開発部分を任されることが多かったため、要件を1から詰めていくことに、困難さとやりがいの両方を感じました。
要件定義のフォーマットが定まっておらず、個人の裁量に任せられている部分が大きいSun*の開発環境は、決められた範囲で開発がしたいという人よりも、システム側の立場からより良いサービス開発に従事したいと考えている人に合っていると思います。これまでの開発現場では、正直、“開発してもユーザーに活用してもらえないだろうな……”と感じる機能を、会社の方針や上からの指示で開発しなければならないこともままありました。Sun*では、開発者側の意見がプロダクトに反映されやすいプロセスになっていると思います。
加藤(彰):私は、BTCそれぞれのスペシャリストが1つの会社にいることの心強さを感じました。これまで在籍した事業会社では、ビジネスメンバーがクリエイティブ部分も担うことが多かったのですが、Sun*には強力なクリエイティブメンバーが多くいるので、安心してクリエイティブの部分をお任せすることができます。
また、価値創造することがメインの仕事にできる環境がすごくありがたいなと思っています。Sun*に入るまでに在籍した会社はすべて事業会社でしたが、既存事業に関わる業務が8割以上で、残りの2割未満で新しいサービス開発の業務をするという環境でした。新しい価値創造、サービス開発にリソースを割きたくても、現実的には難しいというジレンマを抱えていたのですが、Sun*では、ピュアに価値創造に取り組める環境なので、自分自身のやりたかったテーマに挑戦できています。
ユーザー中心設計を徹底できる開発現場
——デジタル・クリエイティブスタジオであるSun*の強みをどのような部分で感じられていますか?
岡沢:クライアント側のやりたいことの輪郭がまだ掴めていない段階でも、アウトプットが可能なのはSun*の強みですね。テクノロジーとクリエイティブを外注している会社では、まず依頼が掛けられませんから。これまでの経験上、クライアントが自分達の言葉でやりたいことを表現できなくなる時期ってどんなプロジェクトでも必ずあると思っています。そんな時期にあっても、可能性がある部分をアウトプットして、合意形成に持って行けるのはSun*の一気貫通でプロダクト開発をする体制ならではじゃないでしょうか。
また、信頼関係構築にも価値を発揮しています。本プロジェクトでは、オフラインでクライアントと顔を合わせてワークショップをして、ひとつのアイディアからPoCの可能性を提示・検証する流れを作る機会を設けました。社内でチームメンバーが固まっているから、オフラインのコミュニケーションの企画もスムーズに実現可能になったんです。それによりプロジェクトが加速したと体感しました。
——開発メンバーも一緒になってワークショップに参加するのは珍しいのでしょうか?
笹邊:私にとっては初めての経験でした。新規事業が生まれるその瞬間を目の当たりにできて、新鮮でした。“これがSun*の現場なのか”って衝撃を受けたことを覚えています。
岡沢:クライアント側のチームの空気感を知ったり、決裁者の方々の想いや考えを理解したりすることは、とても大事なことだと思うんです。ビジネスメンバーは、クライアントに提案し、理解・納得してもらうことも仕事の1つなので。クライアント側に開発メンバーを知ってもらって、“この人たちが開発してくれるんだな”と安心してもらえる関係性を築くことで、クライアントの意思決定・判断のしやすさも変わってくると考えています。
加藤(彰):BTCとプロダクト開発に関わる全てを内製化している環境だからこそ、BTCのメンバーが揃ってワークショップをしたり、それぞれの立場を超えて、サービスをより良くするための意見を言いやすいなと感じました。
加藤(聖):私は、Sun*メンバーのバリエーションの豊かさと、人柄の良さを改めて知りました。PoCの段階で、社内とクライアント企業内から想定ユーザーを募って約50名へのアンケートを実施したんです。結構な数なので、当初は目標人数が集まるか不安だったのですが、杞憂でした。また、その後もみなさん忙しい合間を縫って、ユーザーインタビューに協力していただいて、とても感謝しています。プロジェクトメンバー以外のサポートもあって、クライアントに納得していただける結果に昇華できたと思います。自分がアサインされていないプロジェクトへも協力姿勢なのは、Sun*のカルチャーですね。
——今後、Sun*がデジタル・クリエイティブスタジオとして成長していくために力を入れたい部分があれば教えてください。
岡沢:マーケティング領域を強化したいですね。作ったものに対してグロースの計画設計はまだまだできることが多いなと感じています。ものが溢れている現代では、作るだけじゃなく、どうやったら選ばれるのかまで考えていかねばなりません。ビジネスデザイナーがこの1年でどんどん入社しているので、今後、伸ばして行ける部分だと期待しています。
加藤(聖):私も、サービスをリリースした後の体験設計はもっと価値提供できると思っていて、アクセスビリティについての勉強を始めています。クライアントワークだと、全ての人が使いやすい・便利であるプロダクトの追求ってなかなかしづらい環境だとは思うんです。それをSun*の強みにできれば、受託開発会社の中でも抜きん出た存在になれるのではないでしょうか。
笹邊:ベトナムチームの開発力を最大限活用したいですね。国が違うと、仕事に対する価値観も開発観点も異なり、マネジメントの難易度が上がります。日本のPMがベトナムチームの理解をもっと深めることで、まだまだ開発力が上がると信じています。
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