シン・ウルトラマン ネタバレ感想

いい意味で詰め込まれた映画だった。
2時間とは思えないほど色々なことが起きたけれど、常に新しい展開で全く飽きなかった。

特に最終決戦。
兵器としてのゼットンがカッコよかった。
絶対に勝てないとわかっていても、ゼットンにただ一人で立ち向かうウルトラマンに何度も声が漏れそうになった。
そしてワームホールに吸い込まれそうになるも必死に脱出しようとする場面。
応援上映という形式の鑑賞スタイルはこういう時のためにあるのかと思った。

気になったのは使用カメラごとに明らかに解像度が異なった点。
メインカメラで映しているっぽい画角だと綺麗な映像なのが、サブカメラ(っていうのだろうか)に切り替わると目に見えて解像度が落ちる、というシーンが結構多かった。
物語上は別に問題ないのだが、いちいち気になったなあ。


そんなに地球人が好きになったのか、庵野監督。

物語終盤、ウルトラマンが人間にベータカプセルの知識を与え、なんやかんやでゼットンを撃退し地球圏を滅ぼそうとしたゾーフィもその方針を保留することになる。
でも、人間はそんなに素晴らしいものじゃない。と、私は思う。
劇中でも最後の最後まで前線で体を張るのはウルトラマンただ一人だった(人間は光の星の者と比較してまだ幼すぎる、という話もあるが)。

特に科学、力を手に入れた人間はひどいものだ。と、私は思う。
火の発明からこの方、人間が人間以外をどれだけ破壊してきたか。
そして力を持った人間同士の疑心暗鬼が互いにどれだけ殺し合ってきたか。

生命は自分の遺伝子を後世に残すために駆動する乗り物である。
それは多種族、ひいては同種でさえも押しのける必要があるのはもはや宿命だ。
ウルトラマン達はいったいどのようにこの宿命を乗り越えてきたのか。
そして人間はどうやってこの宿命を乗り越えられるのか。

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