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今治から始まる海事業界の未来。トークセミナー「最新テクノロジーを活用した海事業界の未来に向けて」イベントレポート

このレポートは、2024年9月21日にSUNABACOで行われた日本植物燃料 代表取締役 合田真氏×双輝汽船株式会社 河上社長 × 株式会社SUANBACO 代表取締役 中村マコトによるトークセミナーの様子をお届けします。


本イベントには、2024年7月22日に今治市とSUNABACOで行われた今治イノベーションコンソーシアム開催のイベント、今治の海事産業の未来へ繋ぐ架け橋となる「最新テクノロジーを活用した海事産業の未来に向けて」に特別ゲストとしてご講演いただいた、日本植物燃料 代表取締役 合田真氏、そして、双輝汽船株式会社の河上社長が登壇し、株式会社SUNABACO代表取締役のナカムラマコトもモデレーターとして、船舶用燃料の未来や、モザンビーク視察の報告を中心に活発な議論が繰り広げられました。

モザンビークでの取り組みとジャトロファの可能性

合田氏は20年以上にわたりジャトロファという植物からバイオ燃料を生産するプロジェクトに取り組んでいます。
ジャトロファは、主に熱帯や半乾燥地帯で育ち、非可食であるという点から他の食用作物と競合しないという特長を持っています。

合田氏にとって、「奪い合わない、争わなくてもいい社会」の実現が、バイオ燃料ジャトロファのプロジェクトの原点です。
主要のエネルギーである化石燃料は、人類が生産することは不可能です。そのため、エネルギー不足に陥った場合にはエネルギーを奪い合う戦争に発展する恐れがあります。
その点、ジャトロファから作るバイオ燃料は、食料生産に影響を与えずに燃料を生産することが可能になっており、仮に不足したとしても、未来の為にジャトロファの木を植えさえすれば、燃料を増やすことができると合田氏は考えています。


モザンビークでのバイオ燃料プロジェクトと農村との協力

ジャトロファは、モザンビークの首都であるナプトより北側に位置する農村地域に植えられています。

ジャトロファを植えることで、モザンビークでは、農地の開発に伴い地元住民との協力体制を築き、地域経済の発展にも影響を与えています。合田氏のモザンビークでの取り組みは、単なる燃料生産に留まらず、現地のコミュニティを巻き込んだ持続可能な発展モデルを目指しています。また、これは日本や他の国々でも同様に実現可能な取り組みであるとしています。

船舶・海運業界におけるバイオ燃料の可能性

海事業界は、国際海事機関(IMO)が掲げる2050年までにGHG(温室効果ガス)排出ゼロを目指す目標に向け、前に大きな転換期を迎えようとしています。

バイオ燃料は、特に海事業界の中でも特に船舶の分野において、今後のエネルギー転換の中心となる可能性があります。船舶業界では、重油に代わるクリーンなエネルギーの導入が求められており、ジャトロファのような植物由来の燃料がその一翼を担うとされています。

2050年のカーボンニュートラルへの目標に向け、代替燃料の研究が進められている中、ジャトロファは既存の船舶エンジンで使用可能であるという点で注目されています。

他の代替エネルギーとして、水素燃料やアンモニア燃料なども研究されていますが、実はまだそれらを搭載できるエンジンは開発できていない状況であり、安定的に供給し既存のインフラに適合させるにはまだまだ時間がかかります。

その点、ジャトロファの油は現在の船舶エンジンで使用できることが国土交通省の実験でも証明されており、より現実的な選択肢であると、ジャトロファがもたらす即時的な効果について合田氏は強調されました。

経済的価値と「海事都市」今治との関係


以下は株式会社SUNABACO中村のコメントの要約になります。

今治市の海事業界は、ジャトロファ燃料を導入することで、他の国や地域に先駆けてクリーンエネルギーの活用に踏み出せる可能性があります。

ジャトロファの実用化は、経済的な可能性も広がりつつあります。かつては原油価格の低迷や、バイオ燃料事業の採算性が問題もありましたが、近年のエネルギー価格の高騰により、経済的に魅力的な投資対象となっています。

海事業界の関係者との話し合いの中で挙がったのは、「ジャトロファ由来のバイオ燃料の供給を確保したい」という点です。
合田氏が取り組んでいるジャトロファ由来のバイオ燃料は、現在、特にSAF(持続可能な航空燃料)としての需要が急速に高まっており、非常に注目を集めています。
そのような状況の中で、今治市の海事業界の関係者や中村が協力して仕事を進めていることに関連し、合田氏は日本国内、特に今治の海事業界においてこのバイオ燃料を活用できるならば、非常に有意義であると考え、今治に優先的に話を持ち込んでくれています。

今治市の海事業界がこの燃料を活用することで、日本の輸入を支える船舶燃料を確保する意義が大きいと考えられています。
さらに、今治の海事関係の皆さんが協力し、アフリカなどで植物燃料の生産を拡大する投資することは、船主や海運業者にとっても経済的な強みになっていく可能性があります。

ジャトロファをはじめとするバイオ燃料は、船舶業界のカーボンニュートラル目標を達成する鍵となり、海事都市・今治の未来に大きな影響を与えることでしょう。

今回、2024年7月22日に実施された、今治市とSUNABACOで行われた今治イノベーションコンソーシアム開催のイベントからのご縁で、愛媛県今治市に本社をおく双輝汽船株式会社の河上社長が実施にモザンビークへ訪問されました。海事業界、合田氏の取り組み、SUNABACOの関係性はここ今治で前へと進み始めています。



今後の展望

今回のトークセミナーでは、海事業界の未来に向けた具体的な提案が数多く示されました。

その中で、合田氏とバイオ燃料作物ジャトロファ、そして今治が、今後、どのように関わり進んでいくのか。

今後とも是非、ご注目ください。

セミナー後は、船首、造船関係者、今治市役所、今治地域の皆様と交流会が行われ、新たな結びつきが次々と生まれていました。

交流会では、はたらく馬とともに耕した田で農薬不使用で米をつくり、その馬耕米でつくられた日本酒「田人馬」と、合田真氏のモザンビークへの想いから生まれたモザンビークの米×馬耕米の麹でつくられた清酒「サケヤスケ」が振る舞われました。

田人馬の「黒」と「白」
https://tazinba.jp/
合田氏とサケヤスケ
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▼トークセミナーのアーカイブ動画はこちらからご覧いただけます。


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