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スナネズミと一緒に暮らす時に気をつけること

はじめに

本ページには事故の事例が記載されております。不快に感じる方もいらっしゃると思いますので、その可能性があると思われる方はブラウザを閉じて下さい。

少しでもスナネズミ達の為になることを願っています。


既にスナネズミと一緒に暮らしている方はこちらもどうぞ。


noteで紹介しているごはんやグッズをまとめています。
あくまで一覧として使ってください。Amazonの方が安かったりもするので、必ずしも楽天で買う必要はありません。


ケージ(部屋)

広さ
人間もそうですが、部屋は適度に広い方が良いです。複数の部屋をパイプでつなげてあげると運動不足解消にもなりますし、スナネズミは賢いのでその部屋がなにをする部屋なのかを覚えてくれます。例えば、朝ヨーグルトをいれる陶器皿の音がすると、決まった部屋に移動し二本足で立って催促してきます。かわいい。

種類
可能な限り柵が少ないケージを選ぶのがおすすめです。まだ成獣になっていない仔が鉄の柵を囓った際、柵の強度に負けてしまい歯が曲がってしまった事がありました。たまたま指を噛まれたときに歯形の位置がおかしかったので幸運にも気づきましたが、歯が曲がると当然食事が不自由になるので栄養が満足に取れずに短命になる可能性があります。かじり技をたくさんいれてあげても柵を噛んでしまう仔はやはりいますので注意が必要です。

ちなみに、柵を齧らない様に注意した後は結構すぐ(1ヶ月程度)で歯は戻りました。もちろん歯が曲がっている事がわかった直後に病院に行きました。

大きくなってからも柵には注意する必要があります。
大抵、柵には塗装がしてありますので、スナネズミが柵をかじった際にその塗料を食べてしまう可能性がある為です。

また、塗装が剥げた後は錆びてくることが多いのでこちらもやはり避けた方が良いと個人的には考えます。

ただ、窓も何もない水槽の様なケージだと空気が滞留して匂いと熱が籠るので定期的に換気をしてあげると良いと思います。

僕がプラスチック系ケージを選んだ理由

ケージには種類ごとのメリット・デメリットがあるので、ご自身で吟味した上で選んでください。どちらが正解などはありませんが、スナネズミが快適に暮らしているかと自問し、Yesなら良いと思います。

僕はプラスチック系ケージを使っています。
というか水槽系を使ったことがありません。

プラスチック系ケージのメリットとデメリット
◎1週間に1度行う掃除の際、洗いやすい
◎比較的サイズが豊富
◎熱やにおいがこもりにくい(形状による)
◎緊急時、女性一人でも持ち運べる
◎パイプをつなげて複数の家を連結しやすい
◎比較的安価
◎分解してコンパクトにできるので保管しやすい
×割れなどの破損が起きやすい

なお、ガラス(水槽)系を使ったことがないのでコメントは控えます。

我が家の環境(2匹)

ご飯

ひまわりの種だけをあげるのはオススメできません。ひまわりの種は非常に脂肪分が多いので肥満になってしまう為です。ひまわりの種と同様に小麦粉が入っているものものも太りやすいので注意が必要です。(たまにチモシーに含まれている商品があります)

スナネズミのためのご飯という意味では以下はバランスが取れています。

イースター:ハムスターセレクション
マルカン:リス・ハムスターの主食
日本クレア:CE-7

どれか1種類をあげるのではなく複数のペレットを混ぜてあげたり、ヨーグルト(無糖)やたまにならチンゲンサイ、キャベツもあげると良いと思います。

ただ、水分が多い葉物はあげすぎるとおなかを壊しますし、アブラナ科の野菜(コマツナ、キャベツ、チンゲンサイ、カブ、大根)は甲状腺障害を起こすと言われている一方、抗がん作用があることもわかっています。*1
継続的に多給しない方がよいと思います。

ヨーグルト・おやつ

ヨーグルト(無糖)は毎日コーヒースプーンに半分程度、ごはん以外にも嗜好品(おやつ)を1日1回~2回程度あげています。

小麦粉を含むものは肥満の原因になるので我が家では避けています。
また、種子類など脂肪が多いものも基本的にはあげません。

ヨーグルトは必ず無糖を選んでください。

おやつばかり上げてしまうと主食を食べなくなるので注意が必要です。

また、高齢になり体力が落ちてきた場合に備え、その子の好きな食べ物は早めに把握しておいた方が良いと思います。高齢になるとごはんなどを食べなくなる可能性があるためです。

1.お豆腐(人間が食べるものと同じ)
2.とうふキューブ(232円くらい/袋)
3.ヨーグルト(無糖)(160円くらい/個)

以下、我が家での一例です。
Amazonや楽天で検索してください。

ヨーグルト
豆腐キューブ

おやつ保存用密閉容器

豆腐キューブは袋を開けると湿気を吸ってしまうのでシリカゲルを入れた密閉容器に入れています。(ただし、密閉容器+シリカゲルで対策をしてもやはり湿気は吸います)

1.保存容器(977円/個)
iwaki(イワキ) 耐熱ガラス 密閉容器 キャニスター 径10×高さ6.3cm 200ml KT7014SMPR

2.シリカゲル(598円/100個)
食品用乾燥剤 シリカゲル 1g × 100個 30×40mm 国産品■SA1g 100個■

密閉容器
シリカゲル

巣材

巣材にはいくつかの選択肢があります。

  1. チップ

  2. ティッシュ

  3. 新聞紙

  4. 牧草

チップは紙製のものが良いです。
我が家の場合はチップを食べてしまう事があったので使用は控えています。

ティッシュは準備が楽ですが、小さい子の場合、窒息などの危険性があるので注意が必要です。

新聞紙はオーソドックスですが、個人的には使いません。(植物性とはいえ、インクが気になる)

牧草はにおいが良いですが、アレルギーを起こす子もいるので注意が必要です。頻繁にくしゃみをする、ポルフィリンの分泌が認められるなどがあれば使用を見合わせるなどしましょう。

牧草(チモシー)についてもいくつか試しました。
注意したポイントとしては以下の通り。

・国産か
・全体の長さがどの程度か(長いか、短いか)
・チャックの有無(保存性)
・穂が入っているか(穂が大好きな子が多い)
・全体的な品質

我が家では上記項目をすべて満たした「牧草市場:スーパープレミアムチモシー 1番狩り」を使用しています。

Amazonで620円くらい/個で購入可能です。
調べた時点では3500円以上で送料無料なので、6個パックを買うのも良いと思います。

事故

いくら注意しても、残念ながら事故は起きてしまいます。予め起こる可能性や事例を知っておけば対策が出来るかもしれません。

あくまで可能性の話なので「やったらダメ」という事ではなく、我が家で実際に起きたイレギュラーな事例と知り合いの事例を記載します。

・肺からの雑音
砂浴びをしているとき肺に砂が入ってしまい、肺から雑音が聞こえるようになってしまった。

→得られた教訓:砂浴びの取りやめ、または粒子径の大きい砂を検討する。

・漏斗胸様症状
漏斗胸という胸骨の一部が陥没してしまう症状が発生。気づいたきっかけは、ご飯を食べた後息継ぎをするようにじっとする時間が出来た事から。

手に乗せて触ってみたところ、胸の部分に突起状のものがあった。獣医師にその件を伝えレントゲンをとったところ、漏斗胸だと診断される。

10cm程度の高さの手の平から降りた際に発生したと考えられる。

痛みのため強制給餌含めて全くご飯を食べることができず、数日のうちに体力が落ちて亡くなってしまった。最も後悔が残る出来事。

→得られた教訓:手の平から下ろす際は、高さに注意する。

---以下は知り合いの家で実際に起きた事例です(我が家ではありません)。
スナネズミがジャンプすれば届くくらいの位置に網状の天井があり、日常的にスナネズミはジャンプしその柵状の天井にへばりついていた。ある日、知り合いが帰宅したところ、天井に手が引っかかったスナネズミが絶命していた。

→得られた教訓:天井までを高くする、天井へ興味を持たせない

病院

獣医は小動物の為の医者というよりも、元々はいわゆる経済動物(牛、豚)の為の医者であるため、スナネズミの診療に慣れていない場合も大いに考えられます。その場合、エキゾチックペット専門の獣医を探す、直接問い合わせてスナネズミの診療が可能かを確認するなどをお勧めします。ごく稀に愛玩動物(犬、猫)以外を専門としている獣医がいますので、事前の調査をしておくと良いと思います。

今は変わっているかもしれませんが、僕が行っていた大学では小動物の事を学びたい人は卒業前の半年間程度の期間を使って学ぶ機会が与えられるかどうかだった記憶があります。

そのため、こんな事はないと強く願いたいですが、実験動物用のマウスなどを扱った事があるくらいの獣医がスナネズミを診断する可能性もゼロではないと思います。そうならないためにも事前の確認を強くお勧めします。

余談ですが、学生時代は経済動物という言葉が大嫌いでした。今も表現自体は好きではありませんが、動物に対する敬意を込めて使っています。

健康診断

具合が悪くなったときだけ獣医に行くのではなく、半年に1回くらいは獣医に行き、糞尿の検査もして貰うと安心できます。(ただし費用はかかります)

(重要)日常的に出来る事

においを嗅ぐ
細菌感染などを起こし、耳の中が膿む可能性があります。その際、耳から「すえた様な嫌なにおい」(いつものスナと違うにおい)がします。ちなみに、発情期もいつもと違うにおいがします。

おしりが汚れていないか確認する
スナネズミを始め、齧歯類は腸内細菌が命です。腸内細菌バランスが崩れ、悪玉菌が増えるとうんちの状態も悪くなり、おしりが汚れてきます。この状態になったらすぐに病院に行くことをオススメします。

毛艶をみる
毎日見ているスナネズミなので、毛艶が悪くなるとわかります。
スナネズミの体調が悪くなると、自分の毛繕いをする余裕がなくなり結果として毛艶が悪くなります。上記のおしりが汚れていないかと併せて確認すると良いと思います。

排便、排尿を観察する
うんちの大きさが小さすぎないか、繋がっていないか、繊維状のものが見えていないか、粘液状のものがついていないかを確認します。また、おしっこについても、色が濃過ぎないか、においが強くないかなどを確認します。齧歯類は腸内細菌の状態が生命活動に直結する為、常に注意をする必要があります。

眼に力があるか
毎日スナネズミをみていると「何か眼に力がない」などの抽象的な印象を受ける場合があります。その際は直感に従って獣医にいく事も検討して下さい。

いつもと違う格好をしていないか
昔に飼っていた仔が、ココナッツシェルターの縁に顎を乗せて居ました。最初はかわいいと微笑ましく見ていましたが、どうも様子がおかしいことに気づきました。獣医につれていくと、心肺機能が低下した結果、苦しくて上記の格好をしていた(呼吸しやすいように気道確保していた)事がわかりました。愛くるしいと思える仕草が思わぬ赤信号の可能性もあります。

手の甲などに傷がないか
毎日スナネズミをみていても、いつ出来たのかわからないような傷を発見する事があります。傷は感染症を引き起こす可能性があるので、体調に変化がないかなど注意深く観察しましょう。

うくうくしていないか
伝わりづらいと思いますが、軽く体を跳ね上げさせるように(強引に例えるなら人間のしゃっくりに近い)その場に止っていることが多くなっていないか注意して下さい。経験的にですが、歳をとると呼吸器や心臓が弱る仔が多かったです。

リファレンス

*1 ザ・ネズミ(2009/4/20、大野 瑞恵 著) chapter05





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