Romanticizing Your Life　-Mood Boardersとは-

A mood board is a tool that conveys ideas and images in the form of illustrations.
It's a carefully planned, well-thought-out combination of pictures, text pieces, materials, etc.,
that aims to evoke or project a certain style or idea.

ムードボードとは、アイデアやイメージをイラストの形で伝えるツールです。
写真、テキストピース、素材などを慎重に計画し、よく考えられた組み合わせで、
あるスタイルやアイデアを呼び起こしたり、投影したりすることを目的としています。

私が好きなMood Boarderとは、主にpinterestで雰囲気の良い写真をたくさん見て共有しているアカウントのことです。
良い雰囲気の写真は自分で撮ったものに限らず、（もしかしたら権利に触れるかもしれない）どこからか拾ってきた写真、ブランドの宣材、インフルエンサーの日常生活のインスタ投稿だったりします。

彼女たち（だいたい女の子）は、良い雰囲気の写真をいっぱいいっぱい見ると、いつしか現実になるという信念を持っています。

この説明だと、日本語のスラングで言う“夢女子”と一緒だと思うかもしれません。しかしながら夢女子とは違います。
確かにどちらも夢を見ていますが、Moodboardersは割とステップを踏んだ思考の上で夢を見ています。

Moodboardersの思考を少し説明しましょう。

彼女たちはまず、空想を現実化することが可能なのだと信じていますから、証拠写真を見つけてくることから始まります。
「Future me」などキャプションを付けて、「あたしこれになるから」と宣言します。
それで似たような雰囲気の理想的な服・アクセサリー・インテリア・ヘアスタイル・景色などの写真を集めて、まねっこするのです。

ビジネス用語に『〇〇ドリブン』という表現があります。
単純にdriveの受動態でdrivenですから、突き動かされるという意味ですが、
データドリブン＝データをもとに問題解決するスタイルのこと
イシュードリブン＝何を解決するべきか考えてから行動する思考のこと
カスタマードリブン＝顧客優先主義　　という使い方をします。
理想の現実化、空想の現実化を主義とするMood Boardersはロマンドリブンな生き方と言っても良いのではないでしょうか。
でも彼女たちはロマンドリブンとは言いません。タイトルにもある、
romanticizeという言葉が大好きです。
Romanticize your life.この言葉が指標となっています。

現実が地面だとしたら、浮足立つという言葉がある通り、空想中は足元がちょっと浮く感覚になるのはみなさんもお分かりかと思います。
ギャンブルで無意味にお金を使うことを、お金を溶かすと例えるように、空想に浸っていると、時間を溶かすことになります。（耳が痛い）
私たちの多くは、空想・夢想は現実逃避だとか、無意味だとか、慎むべき行為だと大人からさんざんたしなめられて育ちます。
私たちにとって、空想はやってはいけないこと、隠すこととされているのです。
空想に費やした時間とは、人生を歩みに例えるなら、確かに浮ついていた時間ですから、何の足跡も残らない、歩んでない時間になります。（耳が痛い。もうやめて）

しかしながら、MoodBoardersは空想を前面に出します。隠しません。堂々と空想します。
これになるから、イメージトレーニングしているの。未来のための準備をしているのと主張します。
浮いたまま進むことを可能にできますが何か？というスタンスなのです。
空想をしても、時間だけ無為に進むわけじゃないのです。彼女たちは密に足を地面につけて歩んでいます。実現可能なサンプル（写真）とともに密に現実と理想を照らし合わせながら、現実を理想に引っ張り上げつつ暮らすのを目標として、堅実に暮らしています。

romanticizeを辞書で引いたとき、ロマンチックにする・美化する・空想化するとでてきました。同時に類似語や反意語として、recognize・realizeも表示されました。
Romanticizing Your Life！という呼びかけは、辞書の最初の言葉を拾って「人生をもっとロマンチックな甘々なものにしましょう」と訳すのではないように私は解釈しています。ざっくり言って、人生をもっと美しくしましょう、かな？

人生には目標設定/道しるべ/お手本/ロールモデルがあると、より明確な進路をもって歩むことができます。Pinterestに大量の写真を集め、これが目標と明確なビジョンを提示しつつ指針にすることは、大いに有効だと思います。こうなると、空想は慎むべき行為とは限らなくなってきました。密に地面と足を接しつつ歩めば、空中に浮いたまま進む稀有な能力になりうるのですから。浮かんだまま進め　こんな風に、Romanticizing Your Life！を超訳してしまうのもアリではないかと私は思っています。

ちなみにMood Boardersは夏が苦手で、秋冬が好きです。夏はできればお友達と海で水遊びをして、日陰で静かに暮らして何とか乗り越えるのが理想の感じらしいです。そして私たちと同じように、ソファでぐったりする人の写真をupして「Real me」とキャプションを付けたります(笑)