経営のお悩み相談30|会社規程類の開示義務?!
サンカラ・弁護士の瀧澤です。
さて、今週は、メルマガ読者のみなさんからいただいたご質問に専門家が答える、Q&Aの時間です。
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さっそくご質問を見ていきましょう。
ペンネーム海さん(サービス業・経営者)の方からの質問です。
質問内容
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従業員から会社の規程をすべて見せてほしいと言われたのですが、全部見せる義務はあるのでしょうか?
給与規程や就業規則などは関係あるので見せる必要があると思いますが。
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会社規定もいろいろある
従業員から会社の全規定の開示を求められた場合、経営者側としては何となく応じたくないと考えることが多いかと思います。
特に、いわゆるクレーマ気質のある従業員からそのような要求があった場合、
「会社のあら探しをしようとしているのではないか?」
と疑うのが普通でしょう。
さて、会社の規定といっても、
①就業規則や就業規則に委任されている規定(例えば、賃金規定、懲戒規定等 以下「就業規則関連規定」といいます。)
や
②①以外の規定(例えば、契約締結フローに関する規定、社内ルールに関する規定等)
まで様々あります。
そして、従業員から開示を求められた場合に、それに応じる義務があるか否かというのは、結局、
【就業規則関連規定に該当するか否か】
になります。
就業規則に関する規定は開示必要
就業規則関連規定の場合には、労働基準法により労働者に対して周知する義務が課せられています。
そのため、従業員からの開示要求には応じる必要があります。
ちなみに、会社が閲覧を拒否する場合、就業規則としての効力が認められなくなる恐れがありますのでご注意ください。
つまり、問題社員がいても懲戒処分等を行うことができなくなる、就業規則で定めた定年制を適用できなくなる、など会社側としても様々な問題が起こります。
コピーにも応じる必要あるか?
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