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花房観音著「うかれ女島」を読んで思うこと

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三重県にある売春島と呼ばれる渡鹿野島をモデルに書かれた、1人の男性と、4人の女性を巡る物語。

この5人を結び付ける共通点は、うかれ女島。
島で置屋を営んでいた女性の息子と、この島でかつて娼婦として働いていた4人の女性達。

男性が持つ女性への処女願望。
それを真っ向から否定する女性達。

女性は、性欲を表立って出してはいけないのか。
女性は、性的快楽を追求してはいけないのか。
娼婦は、何故蔑まれなくてはいけないのだろうか。

この問いは、東電OL殺人事件の時もそうだったなと思っていたら、この事件を思い出させる章もあった。

男性も女性も、自分の持つ理想の型に人を嵌めようとする。
人の内面なぞ、単純なものでも無いのに。
こうあって欲しい、こうして欲しいという型に無理矢理、嵌めようとする。
無意識についつい、やってしまう。
人とは愚かだなと思うし、息苦しいものだなとも思う。

いつも花房観音の小説は、読み終わった後に、この息苦しさから解放してくれる。

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