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20230920-0924 『SAPERE ROMANTIKA』(paper company)刊行記念イベント「詩人は何を読み、どのように書くのか? ——詩、翻訳、ポエトリーリーディング——」日記

20230920

カフェで読書。高田怜央さんの『SAPERE ROMANTIKA』と『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』(詩・訳 エリザベト怜美 絵 モノ・ホーミー)をひたすら読み、なにかトークで話すことが思いつけばメモを詩集に貼り付ける。「映画とパンフレットが一緒になったような」「口の中のことを即興で、それでいて意識的に書かれている。即興で意識的にというのはフランク・オハラとの共通点」など。(これは実際に喋った)

0921

ひたすら読書。何度も読んだマヤコフスキー『ズボンを履いた雲』をあらためて読み返してみると、この本が与えた俺への影響はとんでもないものだったんだと再確認。参加した同人誌『しんきろう十周年記念号』巻末の「この十年の一冊」で『ズボンを履いた雲』をあげて、「完璧な一冊。身体に埋めた」と書いたのだが、しっかり埋まっていると思う。ただそれは『パスタで巻いた靴』までの話で、第二詩集は全然違うものになる。

0922

家を出る際、15冊ほど本を持っていこうとして妻に止められる。たしかに大荷物過ぎると感じたので10冊に減らした。リュックに大きめのエコバッグという格好だったが、エコバッグは置いていくことができた。(イベント中もあの本を持ってきていれば…と減らして困ることもなかった。)

イベント前に京都シネマで『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』を観る。イベントのことを考えながら、しかもゴダールの喋り方を観察しながら何か活かせるものはないかと観ていたので、あまり内容は覚えていない。

タナカコーヒーへ行き、詩人澤村貴弘と合流。伝説的な人物にまつわる日記には書けない笑い話をたくさんしたらイベント前とは思えないほどリラックスできた。これがゴダールのいう「たのしい知識」なのだろうか(すべてはイベントに向けたPractice なのだ)。澤ちゃんもイベントには来てくれるのだけれど、俺は集合時間があるので先に会場へ向かう。

CAVA BOOKSに着き、ようやく店主の宮迫さんとお話することができた。『エイガシ』を置いてもらうためにメールしたのがはじまりだったのだが、こうやってイベントでお会いすることができて嬉しい。高田怜央さん森脇透青さんpaper company の岡田さんと合流し、3Fのトーク会場へ。打ち合わせをしたり何度か煙草を吸ったりして既に楽しい。ハッピーな雰囲気だった。

イベントはお客さんもたくさん入ってくださって本当に嬉しかった。初めてのトークイベントだったけれど、ポエトリー・リーディングが最後にあるからなんとかなると腹を決めると言葉が溢れ出てきた。森脇透青さんの名司会と批評の両立、高田怜央さんの隣に座っている俺の身体ごと惹きつけられる詩の話に、一緒に話せてよかったと感動。森脇さんは『ズボンを履いた雲』まで読んでくださっていてありがたかった。俺もトークでは話さなかったが、デリダの『シボレート』や『言葉を撮る』を読んでおいてよかったと思った。今回、高田さんや森脇さんの著書だけでなく、おふたりにまつわる本をたくさん読んだからか安心して話すことができた。話題にあがらなくても読んでいることによって話すこと周辺の余白が整えられて受け取ったり届けたりできる感覚があり、初めてのトークイベントでこれを掴めてよかった。ただ森脇さんは俺よりもたくさん読んでいてさすがだった。俺も次はそれくらい読まないといけない。高田さんの英語でのポエトリー・リーディングは格好良かった。英語があまりできない俺はたどたどしくゆっくり読んでいたから、ここからここまで一気に読むのかと驚いたし、そのリズムと切れ味に痺れる。お互いの詩を披露しあう際、俺の「手紙」を選んでくださったのが意外だった。あの詩は『前略、おふくろ様』のショーケンと母のような親子関係を書いていて、実際の俺の母とはなんの関係もない。いわば俺の見栄っ張りな感じ、変な格好のつけ方がでている詩で、俺かショーケン以外が声に出すイメージがなかった。笑 それを高田さんの声で聴く貴重な体験。不思議だったし、とてもよかった。そして俺のポエトリー・リーディングもかなりよかった気がする。

Q&Aで俺が言った「自分の音でうたえ」がずっと頭から離れない。そしてそのあとに言った「パワー」も。笑 大量のインプットをして、椅子に座り、パソコンを前にして詩を書く。そのとき、自分の音でうたうのだ。自分のビートで。心臓の鼓動で。

イベントが終わると、詩集を買ってくださった方々にサインを頼まれたのは嬉しかった。たぶんポエトリー・リーディングのおかげだ。実演販売。

打ち上げでは、高田怜央さんとなにかの話になった時、「僕、手塚治虫の『七色いんこ』が好きなんです」と言うと、高田さんも『七色いんこ』が手塚治虫で一番好きだと分かり少しはしゃぐ。俺は七色いんこのように立ち回ろうと常々思っている。素潜り旬は七色いんこなのかもしれない。

0923

『ジョン・ウィック:コンセンサス』をエキスポのIMAXで観た。冒頭の音がめっちゃでかくてこれだけで劇場でIMAXで観てよかったと思った。キアヌのヌンチャクと銃の同時使い、ドニー・イェンの座頭市、真田広之とリナ・サワヤマ親子などやっばいところだらけで全力で両腕を振りまわしたくなる3時間。犬のアクションを今作も楽しみにしていたが、股間に噛み付くばかりで恐ろしさしかなかった。ただやはり大事なところで犬が良いスイッチ(というか装置?)になっていて、犬なしではジョン・ウィックシリーズは成り立たないのだという気概を感じた。

0924

妻と5歳の娘がイオンにプリキュアの映画を観に行き、終わる頃に俺が2歳の娘をつれて合流した。早めに着いて待っているあいだ、劇場の売店でエキスポで売り切れていた『ジョン・ウィック:コンセンサス』のクリアファイルとロックグラスを買う。大阪が舞台でもあったのでグッズには大阪と書いてある。ヌンチャクで構えるキアヌと、ドニー・イェンとキアヌがコンチネンタル大阪で佇むクリアファイルはめちゃくちゃ格好良い。2歳の娘はガチャガチャで、堂々とした爬虫類のフィギュアを選び、腕を組む黄色いトカゲを当てていた。

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