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大雪物語  藤田宜永 読書感想

記録的な大雪に見舞われた日
どこかでそれぞれのドラマが繰り広げられる一日の短編集

舞台は長野県となっている

主人公たちの立場はそれぞれ

ひったくりの犯人
ご遺体を搬送している会社に勤めている人とその依頼人
彼氏に振られた女の子
立ち往生している人が地元のお店にトイレを借りに来たら偶然昔付き合っていた人だった
家出したまま帰って来なかった姉を見掛けた自衛官

ラストの〆のピアニストの話が素敵な終わり方だった
この終わり方だから良い余韻が残る
いや、浮気しておいて別れないでくれというのは身勝手だけどな
一度別れて、それでもやっぱり一緒にいて欲しいと願う
ダメになったけど、もう一度と願う気持ち
弾いた音色は心揺さぶるものだったと想像出来る

どの話も寒い雪の景色の中で繰り広げられている
こんな寒い日に読むのにぴったりとはまる

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