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あの子の殺人計画  読書感想

しつけと称して虐待を受けている少女・きさら

お母さんを愛している。お母さんは悪くない。亡くなったお父さんとの約束でお母さんを守っていく。

しかし母親が水責めという「しつけ」をしている時に、楽しんでいると気付いてしまう。

お母さんを殺してしまえば。

きさらの殺人計画が始まる。


きさらの母親はある殺人事件の容疑者で、アリバイを娘に言わせている。

警察はそれを疑いトリックではないかと探る捜査パート

そしてきさらの主観のパート

交互で進んでいき、最後に驚愕の真相が明かされる。

しかし真相よりも重要だと思ったのは虐待について。

虐待をしそうなのは親に虐待されたからだという。多分これが大半の人達の納得の理由

しかしまともな家庭に育ったから虐待しないという可能性はゼロだと本書は訴えている


「どんなにしっかりしていても、先の見えない生活を送っていれば身も心も疲れ果ててしまう。そのせいで子供に手をあげてしまうのは、決して許されないけれど、ありえることなんです」

あの子の殺人計画

「シングルマザーにかぎらず、追い詰められたら誰でも似たようなことをしてしまうのかもしれません。もちろん私でも。真壁さんでも。そんな怖い′想像’を、いつもしてしまいます」

あの子の殺人計画

アリバイトリックとか真相よりも恐ろしいこの現実。

シングルマザーだけでなく、両親がいても虐待というのは行われている。

虐待というより殺人なのだけど。

止められるような社会や組織に変わらなければならない。

子供達を守る為に。

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