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侵蝕 壊される家族の記録 櫛木理宇 読書感想

厚塗りの異様な女が他人の家に入り込む その後、女の弟と名乗る男も同様に住み出す

家族がバラバラになった後、女とその弟は消える 家に残るのは誰かの死体

得体の知れない女は何者なのか 不気味な雰囲気の小説 読むのに覚悟が必要


女を追う者と、現在進行形で女が入り込まれている家の視点で進んでいく

洗脳してもともと仲が良くない家族は憎み合うようになる様子にぞっとする

女が狙うのは若い男手がいないというのがまたリアルで怖い 大学生の長男がいなくなった隙に入り込む 長期出張でいない隙に入り込む

奥さんを亡くし仕事も定年となった人、もう少しお金を儲けたい人、子供を亡くした人

寂しいと思った瞬間に憑りついてくるとしか思えない ただただ恐ろしい


そして明かされる女の正体

ホラーなだけでなくミステリーだった

心を壊された子供達はいつか普通の暮らしを送ることが出来るのか

入り込もうとする他人は用心するべき。

疑ってかかったくらいがちょうどよい。


 改題前の寄居虫女(やどかりおんな)もセンスあると思う。

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