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キリエのうた 映画感想 監督ファンなら観るべき

路上で歌を歌っているキリエに声をかけたイッコ
食事をしてキリエはイッコに誘われて部屋に泊まる
起きてみて、イッコのウイッグをとった姿を見て気付く
高校時代、二人は会っていた


岩井俊二監督 花とアリス リップヴァンウィンクルの花嫁 あの空気感は今作も健在で安心した 雪のシーンなんて、花とアリスだなと思いながら観ていた

ただ今作は震災がらみなので、そこが苦手という人が出て来るかもしれない
思った以上に震災のシーンは流れていた
自転車で走りながら海が見えていただけで、これ駄目だもう絶対にやばいとぞわぞわする
そこからもうあの震災が起こり、どんよりとしてしまう

夏彦はもうずっと引きずって行きていそう
キリエはラストを観る限り割り切って行きていけそう

エンドロールは子供時代のキリエとあのおじさんの歌か
あのおじさん、どうなったのだろう キリエに歌を教えた良い人っぽいけど子供と一緒にいたら職質は避けられないなあ いいおっちゃんだったんだけどなあ

黒木華さん役の先生が善意の塊でこんな世の中でもやっぱり救いってあるんだなと。 黒木華さんパートは癒しであったが、血の繋がっていない子供を望むような保護出来ない難しさ悔しさ無力さでぐちゃぐちゃになったよ
あの後、絶対にどうしているか引きずっているでしょ

風琴くんが売上持ち逃げする詐欺師とずっと疑っていた自分の心は汚れていた
ただ一緒にやりたい良い子だった

三時間だけれど過去と現在とが入り混じり、関係性が明かされていくので全く退屈することなく観れた



ネタバレ


イッコのあの結末は正直必要ないと思った
詐欺師で逮捕で良かったのでは?
危ない男が観ていたけど、それが伏線とかじゃなく、ああいう人って逮捕されても逞しく生きていそう だからあの結末がリアルから浮いているように見えた
助けてくれた人たち、遠巻きにするだけじゃなく犯人捕まえたり声を掛けてくれたりいい人達だったな

ライブで許可なくやっちゃうのがまたリアルだった なんとなくノリでやって警察来たら謝ったら見逃してくれるでしょみたいな甘い考え、そこはリアルなのにイッコの歩き出すシーンはファンタジーっぽくてそこ残念
キリエはあの騒ぎでデビュー多分遅れたのもリアルなのに。

そこ以外はもうほぼ完璧な作品だと思う

余韻が半端ない


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