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ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒 読書感想

日本音楽著作権連盟に勤務している橘は上司から呼び出されて、ある任務につくよう言い渡される
近々、協会は提訴される
相手はミカサ音楽教室の会 教室での演奏には著作権が及ばないから使用料を支払う義務がない それを訴えている
子どもの頃、チェロを習っていた橘に上司はミカサ音楽教室に通い、ポップスの曲を弾きたいと言うよう指示を出した

JASRACとやマハのあの一件じゃないか

大体察する人は多いでしょう

そしてこの任務を言われた場面で、もう主人公がミカサ音楽教室に思い入れが深くなって協会を見限るのも予想がつく

予想がついた上で、過程が丁寧に書かれているから楽しむことが出来た

まず講師の浅葉のキャラが魅力的だったこと
浅葉が誘ってくれた囲む会でのメンバー達がいい人でほっとさせられること

正直橘がイケメンって設定は必要か?とは思った
そうでないと美人から声をかけられるっていうのが無いからイケメンにしたんかな
イケメンだと初対面の人達の集まりに呼ばれても受けがいいからそんな感じとか

終わり方がとても良かった
それも浅葉のキャラがあってからこそだと思う
この作品で一番魅力的なのは間違いない

JASRACとヤマハの一件で、さすがに生徒に教える分までお金を徴収はやり過ぎと思った
しかし本書の中でアーティストの人がどう生活しているか、考えたことはありますかの問いに勝手に使って発表するのはどうなのか、考えさせられる
著作権使用料はアーティストの収入としては大事なもの
たかが一曲、二曲、くらい
大きなホールじゃないんだから
こうやって蔑ろにして、収入が成り立たなくなる
たしかに作曲している側にしたらたまったものではない

演奏したからったら著作権切れの曲もいっぱいあるわけだし、
どうしてもの場合は数百円払うのはあり

でも、協会に払うより直接アーティストにお金払いたいよね


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