開催者たちからのメッセージ② Minamiaizu Outdoor Life Project (MOLP)

Minamiaizu Outdoor Life Project (MOLP)とは

MOLPは、南会津町に地域おこし協力隊として移住した若者1名と、 生まれも育ちも南会津町、この町の自然に魅せられた地元の若者4人で活動する、 「アウトドア×暮らし」 の視点で町の魅力を発信する有志団体です。

僕たちが活動拠点を置く、南会津町針生集落は、 里山や里川に囲まれた、四方を自然に囲まれた小さな集落です。 昔から、子ども達の遊び場は山の中、 地域の大人達が先生となり、子ども達は自然の楽しみ方を教わっていました。
しかし、時代の変化と共に そんな山の先生は少なくなり、子ども達は自然の遊び方を知らぬまま大人になっていきます。

「このままでは勿体無い。」

十数年前、大人達に連れられて山の魅力を知ったあの時の子ども達が若者になり、 ”次は僕らが教える番だ”と、この町に今も残って、自然の魅力を解き続けてきました。

集落の子ども達大集合で開催した、アウトドアフェスの様子。

そこに、南会津町に地域おこし協力隊として移住してきたよそ者兼わか者が加わり、 いまの子ども達がいつか大きくなって 「南会津町って、なんか楽しいところなんだな」と 地元に愛着を持ってもらえるようにと、MOLPは誕生しました。
MOLP結成以来、僕たちは四季折々の自然の魅力を伝えるために、 集落の子ども達を対象にした山遊びイベントを企画。
また、「アウトドア×暮らし」の観点から 日々の活動記録を発信することで、観光地化されていない南会津町の本当の魅力を 全国に伝えています。
自然の怖さも、美しさも、そして楽しさも ”暮らす”ことで直接体感してきた私たちMOLPスタッフが これまでの経験と実績で得てきた 徹底した安全管理とリスクマネジメントと共に 、参加者の子ども達と一緒に自然を大冒険します。



本キャンプにこめた想い

会津エリア共同ディレクター 澁川 絢有

南会津町でのプログラム担当「MOLP」の代表を務めます、
澁川 絢有(キャンプネーム:ケンユー)と申します。 
本キャンプでは、会津エリア共同ディレクターを務めます。
南会津町では、MOLPのメンバー兼ガキ大将のお兄ちゃん達と一緒に、
自然の怖さ(マイナス)を、幸せ(プラス)に変える魔法を学びに出かけます。

いきなりですが、私は、勉強が嫌いです。 
答えや理論ばかりを説明されても、なんだかモヤモヤして 「それって本当なの?」としか思えません。100回授業を受けるより、1回でも現場を見て、人と話して、自分で考えることの方が 何倍も学ぶことが多いし、記憶に残ると思っています。
南会津町のプログラムでは、 ただ単純にアウトドアを楽しむだけではなく、拠点となる集落の中を自分達で歩き、 現地の人と触れ合いながら3泊4日を乗り越えます。そこには、畑の先生や山の仙人、山菜の名人や狩猟の達人がたくさんいて、 みんなが個性豊かに、多様性を持って暮らしを営んでいます。

今回のキャンプでは、私たちスタッフは、決して子ども達の先生ではありません。 一緒により良い未来を探しに行く、ちょっぴり大きなお兄ちゃんです。共に学び、共に成長する準参加者として、子ども達と大冒険をしに行きます。

ただし、ディレクターとしての最も大きな責務は 
『子ども達を、無事に、笑顔でお家に帰す』こと。 
スタッフ一同、これまでの実践・実績・知識(野外救命資格WAFA、急流救命資格SRT-1  取得済)を駆使して、子ども達の大冒険をサポートします。
このサマーキャンプを通して、 子ども達が大きく、そして美しく成長し、
「福島県の至るところに”最高の友人”ができた」と 、最高の笑顔とどろんこな体で親御さんに話してくれるその日まで、 ディレクターかつみんなの友人第一号であるケンユーは、 子ども達が南会津に来る日を、心からお待ちしています。


南会津で行うプログラム

<南会津町について>
南会津町は、福島県南西部に位置する、豊かな自然と文化に包まれた町です。 2006年に4市町村が合併し誕生したこの町は、約866平方キロメートルもの広大な総面積を誇り、その内森林面積が約92%を占めます。
その豊かな森林は、大地に豊富な水を蓄え、町内各地には清らかな川が流れます。
冬季の豪雪が溶け出した清水は、水辺の生態系を育みながら、人々の生活を潤す。
南会津町の人々は、常に自然からの恵みを享受しながら暮らしを続けてきました。 今もなお、各集落は川沿に居を構え、時に優しく、時に厳しい自然との共生をしています。

伊南川沿に並ぶ集落

<南会津の光と影>
そんな南会津町の特産品は、
寒暖差の激しい山間地域の気候を生かした、トマトやアスパラなどの農産物。
そして、清らかな水とお米の力が育んだ、町内計4つの酒蔵が作り上げる日本酒。

その他にも、自然の恵みを存分に生かした特産品が数多く存在し、 東北地方の南の玄関口として、関東圏を中心に豊かな文化をお届けしています。

さて、ここまでが南会津町の”光”の部分。 言い換えると、地域の魅力をアピールする為の、町の”いいところ”です。

一方で、南会津町が持つ影が何かといえば、それは”自然の脅威”です。
南会津町は豪雪地帯。 一晩にして玄関が開かなくなるほどの降雪もあるほど。 夏は通れていた道が通行止めになったり、雪崩で国道が封鎖されることもしばしば。 また、平成27年には南会津町を豪雨災害が襲いました。 川の増水に伴う道路の陥落や土砂の流出、 さらには山肌の大部分が崩落する事態も発生。川沿いにあった温泉施設を丸ごと飲み込むほどの規模です。
現在も復旧には時間を要しており、川には土砂が流れ込んでいます。 日々の生活が大きくマイナスに振れ、今なお”ゼロ”までも復旧できていません。

積雪は2〜3mを超えることも。

<南会津だからこそ体感できるレジリエンスプログラム>
雪、雨、獣害、虫の大量発生ー 
あげればきりがないほど、南会津町は自然のマイナスな影響を受ける地域です。
しかし、そんな地域だからこそひとびとには
レジリエンスー”マイナスを、プラスに変える魔法”ーが宿っています。
嫌になるくらいの雪でも、子ども達が遊び回る天然ゲレンデを作ることができる。 
道路が通れなくなっても、ご近所さんとお茶飲みしながら助け合うことができる。 
獣が出ても、命をいただいて季節の味を堪能することができる。 
時に牙を剥く川も、魚たちの命を育み、私たちを笑顔にしてくれる。

「どうやったら、私たちの暮らしはより良くなるのか」

自然と共生してきた南会津町では、 そんな”現場でしかわからない学び”を 
一緒に体験しにいきます。


体験内容


◯ベースキャンプ設営(針生集落内キャンプ場)
◯テント宿泊・野外炊事

南会津滞在中は、自分たちで設営したベースキャンプを拠点に、
3泊4日をテント泊と野外炊事で生活します。みんなで一緒に、協力してご飯を作り、成功も失敗も、美味しい物もそうじゃない物(?)も互いに共有しましょう。
一日の終わりには火を囲み、思ったことや考えたことを振り返り。
”相手を否定しない”・”互いを認めあう”
そんな気持ちを、お兄ちゃん達と一緒に育んでいきます。

◯川遊び・カジカ捕り体験

里川の天然大プール

夏真っ只中の南会津町で、天然大プールに出かけて全力の川遊びを楽しみます。
身も心も思い切りリフレッシュ!お洗濯もここで???
そして、綺麗な川底に生息するちょっぴりノロマな魚「カジカ」捕りにもチャレンジ!
一時期は水害によって生息数が激減したカジカも、徐々に南会津町の川に戻ってきています。そんな恵みを実体験を通して感じとり、地元の子ども達のおやつ「カジカの丸焼き」を焚き火で調理して食べてみましょう。

針生集落を流れる川で捕れたカジカ

針生集落 食材調達大冒険ウォーク

チームごとに分かれ、針生集落内を歩いて大冒険します!
あらかじめ配られるフィールドマップをみながら、設定されたチェックポイントを
全て回れたらクリア!

各チェックポイントには、その日の夕食に必要な食材が準備されていて、全てを周りきることでご飯の材料が揃います。

プランも、時間も、子ども達が話し合って決める大冒険。
(各チームに数名スタッフが同行します)

集落の人たちと直接お話をすることで、その地で生きる方々の暖かさと思いやりに触れる素敵な時間になることでしょう。

◯源流巡りー七ヶ岳登山ー

七ヶ岳登山コース。沢をたどるシャワールート。

4日間生活拠点を置く針生集落のシンボル”七ヶ岳”の登山に挑戦します。

人々の生活を支えると共に、今回の川遊びでもその恵みを実感する””が
果たしてどこから流れてきているのか。実際にその足でルーツをたどりに冒険にでます。

七ヶ岳の登山道は、源流が流れる沢を登るシャワールートになっており、
普通の登山とは少し違う経験ができる山です。
(本番は入念な下見をもとに計6名のガイドが同行し子どもの安全をサポート)

普段家の蛇口をひねれば出てくる水も、全てのルーツはここにある。

自然との関わりを自分ごととして捉えるために、チーム一丸となって山頂を目指します。

七ヶ岳山頂。南会津町全体を見渡せる、シンボル的な山。

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