開催者たちからのメッセージ③ 一般社団法人あすびと福島

あすびと福島とは

あすびと福島

「あすびと福島」は、福島の若い人材との伴走を通じて、「あす」を創る「ひと」への成長に寄与したいという想いを込め、2013年から福島県南相馬市で活動している一般社団法人です。
福島の小学生~大学生・社会人まで、年代に応じて様々なプログラムを提供し、次世代人材育成を継続しています。また、日本全国の企業を対象とした社員研修をビジネスとして企画・運営しています。
福島の次世代育成と企業の社員研修、あすびと福島はこのように社会性と経済性を両立して前進しています。

本キャンプにこめた想い

あすびと福島 代表理事 半谷 栄寿

あすびと福島が次世代育成の拠点を置く南相馬をはじめとする福島県の沿岸部は、2011年、大地震・大津波と原子力 発電所の事故という未曽有の災害に見舞われました。 
11年が過ぎ、放射線の除染が進み充分に安全な地域になり ましたが、当時から時が止まっている現場がまだ残っているところもあります。 
一方、未来に向かって新たな町づくりと価値づくりに立ち上がっている地元の人々がいます。大きな困難が立ちはだかっていても、ありたいと描く自分と地域の未来に向かっ て、力強く楽し気に前進している人たちです。
今回のキャンプに参加する小中学生の皆さんは、最後の3日間、南相馬の同世代や少し先輩の高校生たちとともに、福島沿岸部の「影(11年前がそのままの一部地域)」と「光 (未来づくりへ進む新たな動き)」に向き合う体験をします。 子どもたちは、このような非日常の体験を通してこそ、日常では思いつかない「自分たちの未来」について向き合うようになります。 
11日間のキャンプの最後の「問」は、「未来のありたい自分とありたい社会、そのために始めたい一歩目」です。 福島県を西から東に横断して会津磐梯、南会津、南相馬で行う「はじまりのキャンプーゼロー」は、参加する子どもたち一人一人が自分自身の未来に向かって新たな想いを起こし行動を始める原体験の起点ZEROとなると確信しています。 
あすびと福島は、参加した子どもたちが自分の未来に向けて力強く前進していくきっかけとなるよう、スタッフと大学生インターンの全員で全力を尽くします。


浜通りで行うプログラムについて

〈福島県浜通りはどんな場所?〉
福島県浜通りは、温暖な気候で豊かな海の恵みがあり、過ごしやすい地域です。
しかし、2011年3月11日の東日本大震災と原子力発電所の事故で、国からいくつかの町に避難指示が出されました。避難指示が出された町には元々住んでいた約8万人の人々も立ち入ることができなくなってしまいました。
それから11年の月日が過ぎ、避難指示が解除された地域も多くありますが、今でも避難指示が続いている場所があり、東日本大震災の地震・津波の爪痕や、原発事故の現実を目の当たりにします。

原発事故から11年を経ても人が住めない一部のまち
大地震が発生した2011年3月11日の2時46分ごろに止まったままの時計

その一方この地域では、地震・津波と原発事故を乗り越え、新たなまちづくりに挑戦する人々や、広大な再生可能エネルギーの発電所、ドローンをはじめとしたロボットの実証実験など、未来に向けた新しい動きが始まっています。
このように福島県の浜通りは東日本大震災から生まれた「影」と「光」の両方を体感できる地域です。

約6万人が住む南相馬市では使われる電力の94%にあたる再エネ発電が進んでいる

<浜通りで体験するプログラム>

〇浜通り被災地の「影」と「光」を歩いて体感
東日本大震災の地震・津波被害の爪痕が残る場所や、原子力発電所の事故から11年が経っても避難指示が続く場所など、浜通り被災地の「影」を実際に歩いて体感します。
一方で、被災地には震災・原発事故の困難を乗り越え、新たなまちづくりに取り組む力強い動きも生まれています。そんな被災地の「光」の様子も体感します。

〇体感する場所
・事故を起こした原発と東京に電気を送っていた送電線
・大震災から11年を経ても時が止まっている避難指示区域
~バリケードの家々、荒れた農地や高校、乗客のいない駅~
・大津波時に70人の小学生が走って避難し無事だった小学校
・漁業が再開し水産加工業が集積し始めた漁港
・新しい価値を創る人々とともに前進する町
・ドローンの開発ラボや大規模な再エネなど未来への動き

原発事故でまだ人が住めない一部のまちに向き合う
大津波でも児童全員が避難して助かった小学校(震災遺構)


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