台湾旅行記 台南編Part2
神農街にほど近いホテルで朝を迎える。狭い路地の一般家屋に挟まれた立地で、車が入ってこれないこともあってか以外と静かに過ごすことができた。他に宿泊客はおらず、放任主義的なオーナーも用事がなければホテルには現れないようで、結局建物内には自分以外の人は一人もいないまま一夜を過ごしたことになる。セキュリティ的にどうなのかという疑問はあるものの、気兼ねなく外に出かけることができるのは悪くなかった。
当然ながらホテルに朝食サービスは存在しないので、外に食べに出た。中華文明圏の朝食といえばお粥のイメージが強い。台南は海鮮粥がおいしいと事前に聞いていたので、地図で適当な店に目星をつけて歩き出した。
到着した朝食店は時間を考えればそれなりに繁盛していた。日本人観光客も結構訪れる人気店のようなので、並ばずに入れたのはラッキーだったかもしれない。
前日に食べたサバヒーが美味しかったので、ここでも頼んでみる。焼き魚と、いろんな部位の身が入ったミックス粥、それにエビ飯と付け合せの焼きソーセージも注文。おそらく2、3人前くらいの量だったのではと思うがなんとか完食はできた。どれも美味しかったけれど、この店のお粥は一般的に想像する米粒がドロドロになるまで煮込んだお粥と言うよりは、炊いたご飯に熱いスープをかけるお茶漬けとかおじやのような感じだったのが少し不思議。台南のお粥はこういうものらしい。
ホテルに戻って荷物を回収しつつ、神農街や周辺を歩く。まだ朝早く店などは開いていなかったが、雰囲気は良かった。本当は夕方に来ると提灯が灯っていい感じらしいが、残念ながら今回は再訪まではできなかった。
台南駅方面に向けて歩いていく。途中で市場を冷やかしたりお土産のからすみを買ったり、街歩きは楽しい。
台南駅に着く頃にはすっかり日も高くなり、汗で服もグショグショになっていた。旅行者としてはこの暑さも非日常として消化できるが、住むのは大変だなあと思う。
台南駅からは鉄道に乗り、少し北は隆田へと向かう。
隆田という街自体は観光客がこぞって訪れるような雰囲気ではないが、近郊にレンカクという野鳥が暮らす保護区が存在している。分布域は割と広く希少というほどではない(日本にも時々迷い鳥が飛んでくるらしい)が、安定して観察できる場所も少ないそう。ここはそんなレンカクたちが定住できるように地元の愛鳥家が整備した場所だそう。無料で入れる場所なのに手入れもきちんとされていて、訪問者も思ったよりも幅広い年齢層で繁盛していた。お目当てのレンカクものんびり浮草の上を歩き回り、とてものどかで雰囲気の良い場所でした。
観察舎はしっかり整備されているものの、レンカクが暮らす沼は広くどこまで近くで見られるかは運次第。今回はこのときのためにsigma60-600mmの超望遠レンズを持ってきていたので撮影しやすかったですが、それより短いと撮影は少し厳しい印象。とはいえ普通の観光旅行にあんまり大きな機材を持ち込むのも辛い(飛行機がLCCだと尚更)ので、準備はしっかりした上で来る方がいいかも。
小一時間ほど保護区を散策して、駅に戻る。着た道から少し外れて街中を通ってみるが、やはり観光客が気を引くものはなさそうだった。次はマンゴーの産地こと玉井に向かう。電車とバスを乗り継いでも行けそうだったが、かなり回り道になってしまい時間を食いそうだったのでタクシーで直行することにした。円安も相まって物価はさほど安くない台湾ではあるが、タクシーは比較的使いやすくてありがたいと思う。隆田駅前から玉井まで600元くらい。駅前で拾ったタクシーだったが、grabよりも安かった。
タクシーで直接玉井の青果市場に乗り付け、散策を開始。アジアの市場はいろいろ行ったけれど、広い売り場の半分以上をマンゴーが占めているというのは見たことがなく圧巻だった。税関で止められる農作物であるうえ、基本カゴ単位で売られているようで、観光客ではほぼ買って帰るのは不可能というのが本当に惜しまれる… が、お土産にドライマンゴーを買ったら店のおばちゃんが生マンゴーを一つおまけにくれたのでなんだかんだ現地の味を楽しむことはできた。お目当てだったマンゴーかき氷も食べられてとても満足感の高い街でした。
玉入からはバスで台南の街に戻った。最後にご飯を食べられればと思っていたが、高鐵の時間を迫っていたので泣く泣く諦め、急ぎ足で台北行きの車両に乗り込む。グッバイ台南。
本当は台北に寄ることは今回の旅程には含めていなかったのだが、前回来たときに立ち寄った西門紅楼で催されていたハンドメイド市場がとてもよかったのでまた来てしまった。前回とは出店している店はほぼ変わっていて、かつ今回は西門紅楼の建物の外までブースが広がっている盛り上がりっぷりで楽しい。いくつか小物を買いつつ回っていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。実は台北に来た理由はもう一つあり、入国時に当たった旅行者くじで入手した悠悠カード5000元が台南で全然使えなかったのでそれを消化する必要があったのだが、西門で時間を使いすぎた結果かなり急いでお土産を買って回る羽目になった。閉店間際の三越をカード片手に走り回る日本人…それは私です。
結局悠悠カードは1元だけ残してほぼ使い切るファインプレーを演じ、意気揚々と空港に凱旋、深夜発のPeachで日本に帰ってゆきました。
もっと早く書ききるはずがPart2までえらい時間がかかってしまった…
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。noteはまだ慣れていませんがこんな感じで旅行記やカメラの話を書いていきたいと思っています。よろしくお願いします。
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