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菊池 夏野
2022年5月29日 22:33
むかしむかしあるところに、ゴミ屋敷に住んでいる男がいました。その男はどういうわけか女の人にとってもモテたので来る日も来る日も別の女の人たちが入れ替わり立ち替わりやってきて、ゴミを捨てて帰るのでした。女の人たちはみんなそろってこう言いました。「あなたはわたしがいないとダメなのね」女の人たちがいくらゴミを捨てても、いくら部屋を掃除しても、男はゴミを外から持ってきて、またすぐにもとのゴミ屋敷に戻って
2022年5月28日 23:10
あるところに顔のない男がいました。自分に顔がないことがわからないように、男はいつも仮面をつけていました。会う人によって笑った仮面や怒った仮面、おどけた仮面や泣いた仮面をその都度付け替えていたので、誰にどの仮面をつけて会っていたのか次第にわからなくなり、男はついに誰にも会いたくなくなってしまいました。顔のないまま外に出てみようか、ある時男は思いつき、仮面を外して外に出ました。